ちょっと前、動力ゼロで、手足を延長しただけのロボットスーツみたいなの話題になってましたが。あれ、ちゃんと立って歩けるんですよね。バランサーとか動作とか、全部人間のを使ってるから。
あれはまあ機械的な部分さえできれば終わりなんで、確かに手軽にできそうなんですけど、おなじ要領で動力仕込んで倍力機構通して動かせたら、手軽にロボができそうですよね。少なくとも機動強化服はできる。
なんてことを見た当時も思ってたんですが、動力アシストとかが実用化されつつある現在、実現性は高まってると思うんですよ。アクチュエーターの性能も年単位で上がっていってるし、バッテリーもまだラボレベルですけどLi-ionの何倍のエネルギー密度のが出て来てたり、なかなかに唆る状況なわけで。
歩兵に機動強化服が支給される日もそう遠くはないかもしれないと思うと、こう胸が熱くなりますね。宇宙の戦士のアレ(ぬえ版)は大きいし重すぎるしで、パワーソースに革命でも起きないと無理でしょうが。

ああ、常温核融合が本当はあったことにならないかなあ!

いや本当にあっても、中性子バリバリ出そうだから危なくて手軽には使えないと思うけど。

枕が長すぎましたが、聖刻の続き。
聖刻もパワーソースの1種と考えていいと思うんですが、こいつから取り出されるのは電力ではなくて、おそらく物質そのものに働きかけて、位置エネルギーや化学エネルギーなんかに変換される類のものだと思うんです。
じゃあストレートにそういった類のエネルギーが取り出されているのかってーとそんなことはなく、おそらくいろいろやばい副産物も出ていると思うんですね。聖刻は異世界へのゲートでもありますから、とにかく得体の知れないものが出てきても不思議じゃない。
聖刻から出てくるエネルギーは魔力(マーナ)と呼ばれているわけで、生体エネルギー(うわあうさんくせえ)とか、物性に対して作用しちゃうとか、そういうことが起こりうるだろうと。
なので実際、練法師なんかはもう顔面にもろにそういうのを当ててるんで、脳みそからおかしなことになってるだろうなあと。
こういう世界に生きている以上、人間やその他の生物も魔力の影響を受けつつ存在しているはずで、だから魔力をもろに浴びたからといってすぐに大変なことになるとも思えませんが(大変に適切な比喩があるんだけど、絶対燃えるからパス)、逆に魔物というか魔獣というか、そういう類の生き物の存在を考えると、影響を受け続けたものがどうなるかも想像がつくわけです。

いや実際聖刻シリーズに出てくる高位練法師って、どう考えても人間離れしていたり、何世紀も生きてるようなのがいたりして、意図的にそうなった連中もいるでしょうがたぶん自然にそうなったのも結構いると思うのです。少なくとも最初の頃は、自然になった人間の方が多かったかと。
それは操手も一緒で、操兵に乗ってる人間、特に強い操兵に乗ってる人間にはいろいろ変化が起きていたと考えるのが自然でしょう。デイル編に出てきた〈戦士〉なんかも、最初は操兵に接し続けることで起きた体質異常を遺伝的に固定化したものとか。
操兵に取り込まれるとかそういうのも、魔力が精神に影響を与えてそういう変異を引き起こしたものだとか、だいたい説明がつきますね。

そしてそれは大地の時代にも引き継がれていて、むしろ技術的にそういうのを利用している連中がいます。そうです、調停会議の連中です。
第1話の続き、近日公開。お楽しみに。

日下部匡俊

結局全部枕。