聖刻シリーズについて。
今日は『聖刻群龍伝』。前日譚というかプロローグとして『聖刻群狼伝』というのもあります。
こっちは新刊で手に入ります。電子書籍もあり。あ、完結済みです。

聖刻群狼伝1092が世界の命運のかかった超大スケールのお話なら、こっちはアハーン大陸西方に舞台を絞った軍記物。
周囲からは昼行灯扱いの小国イシュカークの第2公子デュマシオンが諸国を放浪し、仲間を集める話が群狼伝。その後、イシュカークの後継者争いに巻き込まれ、古代の支配者〈龍の王〉の遺産に絡んだ異民族の侵攻、西方を支配していた神聖ロタール帝国の興亡を経て、そして生き残った強敵と西方の覇者を争い――。
西方大陸の一時代を完全に描き切った大河ストーリーです。

大胆にして驚きの連続の展開の中、魅力的なキャラクターが次々とあらわれては(惜しまれつつ)退場し、しかししぶとい奴は本当に最後まで生き残ってデュマシオンの足を引っ張り続けるという、まさに大河物の王道ともいうべき物語。長いお話ですが、とにかく電書なんかですぐに手に入りますので、読み終わったらすぐに続きを読みたくなって、気がついたら全巻読破ってのも十分ありえます。というか、リアルタイムで読まれていた方々は、年単位で続刊を待っていた状態なので、いまから読み始めるのはむしろ羨ましいことかもしれません。

日下部匡俊