聖刻とはなんぞや 聖刻シリーズ紹介

あー。昨日の練法の話とおんなじで、そもそも操兵についてろくに説明してないと思いませんか?
いやまあ#3で思いっきりざっくりと書きましたが。

というわけで、この世界の主役と言っても過言ではない操兵について。思いっきり身も蓋もない書き方するから注意注意。

操兵とは、聖刻から力を引き出して機体を駆動するロボットのことです。構造はおっそろしく単純。アクチュエーターは、〈筋肉筒〉という名前通り伸び縮みするでっかいゴム紐みたいなものだし、機体は人体の真似っこ(というか単純化)に近い骨組みに、その筋肉筒とそれに『血液』(文字通り。どうやって作ってるのか、知ってる人は少ない。人間のではない模様)や冷却用の水を循環させる複数のホースが絡まってる感じです。コストの問題で、よほどのものでない限り(国が威信をかけて作らせるような高級機とか)鋳鉄でできてます。普通なら、それで身長6〜8メートルのでっかいの作ったら割れますよね。武器なんかも、たとえ鍛鉄の上等なの使っても、操兵サイズのなんかぐにゃんぐにゃんに揺れるし、たぶん普通に使ったらまっすぐのままの方が珍しいはず。鋳鉄なら振っただけでぽっきりでしょう。
それが割れないどころかどつきあいしても平気なのは不思議不思議。まあ全部聖刻のおかげです。この世界の物理法則はどこかおかしいんです。馬も操兵運搬用のは巨獣だし、体力も化け物だし(ワースブレイドの設定より。いや正直そういうパラメータにしないと操兵運ぶなんて無理だったもんで。他にいくらでもやりようがあったと思えるのは、あの頃みたいに締め切りを目の前に抱えてテンパってないから)。
とにかく、そういう人間の体を真似っこした機体に、仮面をはめたのが操兵と呼ばれるものです。どんなに精巧な機体を作っても、仮面なくして操兵はぴくりとも動きません。それどころか、あんまり外して放っておくと、機体が錆びるわ割れるわ腐るわで大変です。
あとは人が乗り込むための操手槽というのが胸もとにぽっかり空いてるのと、その真下あたりに心肺器という水と血液を循環させるためのポンプがついてます。操手槽には乗り手(操手)が座るための椅子と、操縦した気分になる操縦桿と足踏桿がありますが、基本、そこに取り付けられたワイヤーは一体なんの役に立っているのかわからない構造になってます。端っこがフレームの適当なところに取り付けたばねかなんかに引っ掛けてあって、その先は別にどこにも繋がっていないとか。
つまり操兵って、聖刻(=仮面)が操手の意思を察して動くんです。そのためには強く、明瞭な意思(操兵に乗るとき、意識のそりが合わなかったり、意思の力が弱いと動かせないのはこれが理由のひとつ)と、意思を伴った動きが必要です。時々勝手に操手の考えを忖度して動くのはそれが理由だったりもします。
こんな感じですので、操兵の強さはほぼ仮面の力で決まると言って過言ではありません。機体もそれにふさわしいものである必要がありますが、厳密にこの出来でなければこの仮面は使えない、というほどでもないので。

あー。すごく長くなる予感があるので、今日はここまでにしときましょう。
明日続きをやるとは限りませんが、たぶん続き。

日下部匡俊