先日、『蒼天の聖王』の直しが完了しました。問題がなければ、8/27に配信開始される予定です。
これにて、ソノラマ文庫版『剣の聖刻年代記』電子書籍化、一巻の終わりでございます。
とはいえ、まだ『双生の戦士』が残ってますし、その続編『来るべき戦乱の途』もなんとか上梓できればと思ってますので、まだこれで終わりではありません。
ていうかいままでの流れからすると、『双生の戦士・合本版』てことになるのか? いやいやそれはいくらなんでも安売りしすぎやろ。
まあ『来るべき…』って、じつは1/4くらい公開済みなので(ここに辿り着いてる人は知ってるか)、その辺鑑みてどうなんだろうとも考えておりますが。

蒼天の聖王・表紙じつは、年代記って書き逃げしてた気分大きかったんです。いや、書いてる最中は真剣で一切手を抜いてなかったんですけど(読み直して思い出した)、終わった後はその反動が大きすぎて、全力で逃げを打ちたい気分だったんです(で、それだけが強く自分内に刷り込まれてた)。校正嫌いだったのもその辺があるんだと思うんですが。
デイル編は無我夢中で、それなりに命削ってた感覚があったんでまだ当時の自分をそれなりに信じられていたんですが、まさか尻上がりに濃くなっていくとは。梗醍果の王はキャパを超えちゃってちょっとパンク気味ではあったんですが、投げっぱなしにはしてなかったのには驚きました。中途半端に記憶はあるんで、ここがなってないとか読み終わる前に決めつけちゃって、全部舐めるように読み直してみたら、それなりにぎっちり設定やプロット組んであってびっくり。
そこまで考えてたっけ? ……ああ、考えてたか、そういえばっていう。

で、『梗醍果の王』で穴埋めのために剛信螺凰の出自をわざと変えたりして、その内容を補足していけば穴埋めにもなるだろうとか思ってたらとんでもない話で。いや、これが四操兵あたりなら何にもしなかったと思うんです。ただ、これ最後ですし、力及ばすで舌ったらずになってた部分をそれなりにおさめられたらって思いましてね。
舐めてました。過去の自分を。
もちろん未熟な部分は山のようなんですが、でもわりと気合の入った本気にはつまらない後知恵なんか意味がないと思い知らされた次第です。

いやまあ、でも自分で作っちゃった話の穴を埋めていく過程で、もう一度『蒼天の聖王』のお話の構造やら設定の細部やらを見つめ直しまして、大いに学びを得られました。
少なくとも、短編集『梗醍果の王・補遺』あたりをきちんと書ける感じには。
今後の新作にも、いい方向に影響が出ると思います。たぶん『来るべき…』はかなりいける感じになるんではないかなあ。

とにかく、過去の自分に恥ずかしくないようにこの気分を引き継いでやっていけたらと思っています。

なんてことはあとがきに書けよって話なんですが、直してすぐ出さないとアウトだったんで、あんまり考えてたこと書けてないんですよ。それなりにはなってると思うんですけど、いやいま読み返すと……ま、まあ本編が大事なんで!

自分語りばっかりもなんですので、1092方面も。
オーディオブック『聖刻1092』ですが、ついに東方編完結とあいなりました。すごい。オーディオブックの影響力って、じつはコミックにおける電書と同じ感じらしく、実際オーディオブック版で知って愛重しているという声もずいぶん上がっているようです。
いや、確かにオーディオブックって流して聞くこともできるんで、入り口としてはありかなって思う昨今です。

あと、モデロイド・ヴァシュマール、オレも気になってるんですけど、続報につきましてはいましばらくお待ちください。そんな遠くない将来に予約開始のお知らせができるはず! その時は、ここや各種SNSでも大々的にお知らせしますので。

とりあえず今回はこんなところで。次回以降はもうちょっと更新頻度上げていきます。そんな感じで。

日下部匡俊