畜獣。
拙作によく出る単語ですが、要するに家畜のことです。ネーミングは『パーンの竜騎士』シリーズから拝借しました。
現実世界の品種改良されて扱いやすくなった動物とちがって、原種に近いものが多く(それでも原種そのものってのはいないと思われる)、肉はそんなに取れないし、乳なんかもさほど多くは出ません。性格も穏やかなものばかりではなく、結構獰猛だったりして、気楽に扱えると思ったら大間違いって感じです。

畜獣は大別して食肉用と酪農用、それに運搬用、乗用に分類されます。
食肉や酪農用は、基本的に裕福な地域では豚、鶏、羊(そのものではなく、そんな感じの生き物ってことで)あたりで、牛は実は運搬や作業に使う動物なのであんまり食べません。潰すのは老牛か。貧しい地域、特に山岳部では山羊(という名前で特徴もよく似ている別の生き物かもしれない。あ、牛も)一辺倒と考えていいでしょう。乳も取れて肉もいける。臭いけど。

一方、運搬、乗用に使われる畜獣は、基本的に馬、ワースブレイドの東方では巨獣の類が用いられます。こいつらは、現実の生物とは桁違いのタフさとパワーを持っています。馬ですら、7、8トンある操兵を積んだ荷車を数頭で引ける怪物で、たぶん普通ので黒王号(ほら、ラオウの乗ってたアレ)級だと思われます。
これが巨獣類ともなると、飼いならしてないと本当に怪物扱いされるような生き物たちです。種類によって能力はさまざまですが、サイ、カバクラスの巨体でなおかつ馬のような俊敏さを持ち合わせていたりするので、むしろ乗り手がついていけなかったりします。
さらに、東方では騎獣と呼ばれる特殊な畜獣がいます。これは、獣に仮面を取り付けるというかなり強引なやり方で乗り手に服従させているというもので、リスクも大きいですが、乗りこなせればちょっとした操兵級の戦力になります。
でもって騎獣はちょっとこじらせると獣機というとてつもなく厄介な代物になるんですが、それはまた別の話。

日下部匡俊