関東はめっきり寒くなりました。
いや、暑い年は10月上旬まで30度上等ってことがあった気がしてならないんですが、どうでしたっけ。
流石に裸足でサンダルはきつくなってきたかなー。暑い間は気温が免罪符だったんですが。まあ過ごしやすくなってなにより。今年は、エアコンの稼働率が本当に低かった気がします。気のせいかもしれません。

砂漠というと砂丘がたくさんあって、景色の変化に乏しく、やたらと暑いって印象があると思うんですが。
そういう砂砂漠ってかなり少なくて、実際はむき出しの岩が延々と続く岩砂漠が圧倒的です(だいたいならすと砂1:岩9)。砂漠って要するにおっそろしく乾燥している場所のことで、地面の種類は別に関係ないのです。乾燥していればいいので、寒い砂漠もあるし、表面が土ってところもあります。
さて、ワースと言えばゴナ砂漠ですが、なぜかこの場所は7割も砂に覆われています。残りはほぼ岩砂漠ですが、この比率は通常では考えられないものです。どうやらこれは過去にあった天変地異と関係があるようですが、詳しいことはわかっていません。
一説には、一部の地域の砂礫には聖刻石のように力を放つものがあるとも言われ、それを信じた人々が何人も分け入って命を落とすということが繰り返されています。

砂漠には封都と呼ばれる古の魔道の力が健在な場所もありますが、これが現在まで残されたのも、砂漠中心部がほぼ砂砂漠だからだと考えられています。この広大な砂の海を渡るには、人間の技術はあまりにも未熟だからです。
砂漠の砂に夢を見るのを諦めた人々は、かわりに封都を目指すようになりました。どこにあるかわかっている、あるいはわかっていなくてもたどり着きさえすれば一息つけるという場所であれば、砂漠の中から魔力ある砂をより分けるよりはましだと考えたのでしょう。
もちろんそれは間違いでした。この一見難易度が低そうな試みは、以前の何倍もの犠牲者を出すことになりました。封都が実在し、しかも大量の力ある物品がそこに眠っているという事実が明らかになると、運よくたどり着いた人々も、目の前の宝物を独占するために殺し合い始めたからです。
聖刻砂とでも呼ぶべきものを探していた頃は、人は協力しあっていました。そうしないと生き残ることも難しかったからです。が、封都ならとりあえず生き延びることはできましたから、そうなると隣人が途端に邪魔者に変わったわけです。そこまで行き着くのが困難であればあるほど、独占したいと思う心が強くなっていったわけですね。
まあ、封都には、人間の精神状態の均衡を崩す作用があったという説もありますが。

これらの話はあくまで噂の域を出ません。が、封都にはツキヨミという原住部族がいますから、彼らに聞けば詳しいことがわかる可能性はあります。

まあ、何らかの方法で操兵の軍団ごと砂漠を渡り、封都を攻略しようとした連中もいたようですし、封都にまつわる秘密が完全に明かされる日もそう遠くはないのかもしれませんが。

日下部匡俊