聖刻の大地では、大半のタブーを解禁する予定ですが、ひとつだけやはり躊躇しているものがあります。
飛べる操兵です。
航空機が出現してから、戦場のありようが激変したことはいまさら指摘するまでもないわけですが、とにかく高空からの攻撃に対して、地上からではほぼ対応できません。現代でも、対空ミサイルなんかがあってこのありさまですから、高高度に達する砲すらまともに存在しないレベルでは、戦いにならないわけです。爆撃機が来たら、ほぼ無抵抗で逃げるしかないという。
群龍には空を飛ぶ龍操兵が出て来ますが、あれああいう制限加わってようやく勝負になってる感じで、もしあの戦力がまともに稼働してたら、イシュカークに勝てる国家なんかありませんから。どんな操兵の大集団繰り出そうと、上空からの爆撃繰り返すだけでほぼ終了でしょう。爆薬はないとしても、原始的な焼夷弾で十分です。操兵は簡単には燃えないかもしれないけど、人間や物資はそうでもないので。

とにかく爆撃って戦術の恐ろしさは、その地域を領有しようと考えさえしなければ、相手がどんな陸上戦力を保有していようと無関係にやりたい放題っていう点にあります。お話なら、群龍のように状況設定を工夫すればなんとかなるかもしれませんが、これがゲームになると、航空戦力から生き残る方法を考えるのがシナリオのメインになりかねないわけで。
いや、他に空中戦を扱っているTRPGやボードゲームはいくらでもあるので、ゲームとしてはいくらでもやりようがあるとは思うんですが、ワースとしてどうかって言われると、そりゃもう別物じゃないだろうかっていうことになるわけです。

飛べる操兵がごく少数だとしても、その機体が無双して終わりですしねえ(そして、不思議な力でどうこういう設定持ち込まなかったら、そのうち技術的に必ず数が増えることになります)。そういう機体同士のドッグファイトやればいいじゃんと言われそうですが、先に書いた通りそれはもう別のゲームだろうと。
そんなこんなで悩んでいます。いや、じゃあそれはなしで行けばいいのかと言えば、なにか方法はないかという気持ちもないではないのです。

日下部匡俊