おまえの明日は何百時間後だ! すいませんすいません、個人的な日記で文体をまともに戻そうと思ったら意外にきつくて、なに書いてもダメに見えちゃって今日に至りました(半分嘘)。
 とりあえず健康状態に問題はありません。昨今の情勢を見るに、確定的なことはなにも言えませんけどね。

 承前。

 思い出してみると、自分の高校時代ってそれなりにイベントちっくでした。
 たとえば。化学の先生と仲がよかったので、化学部が休部状態だって聞いて、友だち集めて化学部再開させていろいろいたずらしてたとか。
 高校ですから、もっと高度な難しいアカデミック臭のある実験でもやってればいいものを、とりあえず石鹸作ってみたり、黒色火薬作ってみたり(これがどんなに危険だったかは後で知った。ダメじゃん)、しかも男衆だけじゃなかったんだぜ! なんで手を出さなかったかなー、オレ。そんなことできてたら、たぶんここにはいなかったと思いますが。
 実験も中学生レベルなら、精神状態も中学生だったってことだネ!

 うーん、あっち(個人ブログ)でちょっと前にこういう書き方について反省したはずなんだが。実際後から読み返すと死ぬほど恥ずかしいし。
 まあでも、制限かけたら書けなくなったので、ここでは外します。おまえの明日は何百時間後なんだっていうこの状態は、ひとえにここに起因します。

 受験が迫って、部活動が終わりになってからも活動している部はいくつかあって、化学部がはけてからは美術部に潜り込んで嫌われていました。仲悪い人間とかいたもんなー。でも排除されなかったのは、先方の心が寛大だったからでしょう。
 それから、掛け持ちできたので図書部(じゃなくて局って扱いだったかな)にいたりもしました。SF関係の展示とか企画したり。まあこの時期のマニアのやりがちなことですが。
 そして、こういった類にありがちなパターンで、これだけやってたのに色恋沙汰には一切縁がありませんでした。そう、ちょっと前にも書いた通り、そうじゃなかったら自分はここにはいなかったことでしょう。
 人としてお勧めできませんが。

 しかも通ってた高校には、12時間以内に72キロ(男子。女子は42キロくらい)ほどの距離を行って帰ってくる強行遠足という素敵なイニシエーションが年一でありましてね。陸上部のタフな面々を除けば、翌日まともに歩くこともできなくなる苦行だったんですが、これに3年耐えたってのも結構人格形成に影響があったと思います。
 主に苦行をやり過ごすマインドができたって意味で。もちろんこんなもの経験しない方がいいにきまってますよ。でも、長い文章を書く苦痛の部分をスポイルできているのは、この時に培ったスルー力のおかげではないかと考えています。
 ちなみに痛みを遮断してるのではなくて、その間意識を飛ばしているのに近いので、特に効率はちがいません(文章は考えるのに頭を相当使うけど、単に足を前に運ぶだけならなにも考えてなくてもできるから)。ただ、耐えきれなくなってやめちゃうリスクは減っている感じ。

 こんなこと書いてると、自分の高校時代って相当エクストラな印象がありますが、いや、実際は他の人とあんまり変わらないと思います。やってたことはそこそこ印象的ではありますが、言語化したからそれが際立っているだけで、じつはそんなに普通と変わらないはずだと思うんです。
 ただ、異様に好奇心が強くて、現状に行き詰まったら前を向いちゃうという、一見ポジティブに思えてその逆の性分のせいで、こうやって書き出してみると変に悪目立ちしているだけではないかと。
 些細なこと、普通に考えたら面白くもなんともないことに美点を見出して、無理やり楽しくなっちゃっているだけなんだと思います。
 そして、そのぶん人に相当迷惑もかけている。高校では友だちそんなに多くなかったし、嫌われてた方が多いんじゃないかなと思います。面倒な人間だったんです(それは大学時代にもっとこじらせてて、いまでもこっちの顔も見たくないって人が結構いると思います)。

 ただ、自分が書き手として仕事をしているのは、いままでのそれほどすごいわけでもない経験を大げさに再解釈して言語化できたからではないか、と考えています。
 逆を言えば、書き手じゃない人たちとの差はそれだけではないか。と、思うと、オレこんなことしてて許されるのかとも思っちゃうんですが。そんな大した差がない人間が、偉そうに物書きでございって言っていいのかと。
 そんな自問自答をしながら、この20何年やってきたんですけど。ワースブレイド……いやそれ以前から入れればなんと30数年になるのか。でもまあ、小説書くようになってからそういう意識が強くなったので、20何年でいいのかなー。
 小説を書きながら、自分の再確認を延々してきたような印象があります。もちろん他者の理解ってのもありますが、自分のこともわからないで他の人間の中身がわかるわけないので。どんなことにも例外ってのはありますけども。

 ――てなことを講演で話すつもりでした。たぶんこの後ドラゴンボールのノベライズの時なに考えてたかとか話す流れになったんじゃないかと思うんですけど。
 その話そのものは割愛します。ここで書くことじゃないし。

 さて。
 ワースプロジェクトでは、この春から新展開を準備しております(黒竜戦争2とか〇〇とかもその一環)。このテキストは、そのためのアタリを取る意図で書かれたものです。
 いや、ちょっとキャラものの短編をいくつか。いや小咄に近いですかね。ショートショートってのは違うなーうーん。キャラものって比較的短い話に向いてるんで。
 つまりここまでの文章って、自分のキャラを掘り下げる作業だったわけです。恥ずかしいですね。でも、無料で誰の権利も侵害せず、かつ非常に役立つサンプルとして自分を利用するのがもっとも合理的というかですね。
 いやー、これは劇薬でしたな。おかげで思い出しちゃいけないものをいくつも思い出しちゃうところでした。慌てて封印しましたが、いくつか漏れ出たものもあります。もちろん匂わせも書いてません。そんな怖いそんな。

 というわけで、お付き合いありがとうございます。
 当日記は平常運転に戻ります。

日下部匡俊

 ウィルス怖いですね。まさかリアルに『復活の日』を目にすることになろうとは思わなんだ。もちろんこのウィルスで人類が滅びることはないでしょうが、でも、歴史的転換点を生み出すものであろうことは間違いないでしょう。
 それがどんな未来を作るのかはまったくわかりませんが、振り返っていても取り返しがつかないことなら、前を向くしかないわけです。自分たちにできる範囲で。