なんかやっと涼しくなりました。もう逆戻りはないと信じたい。そう思っては裏切られることの繰り返しですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。さすがに季節的にそろそろ揺り戻しはないだろうと思いますが。思うのですが。暑いの嫌い。
なんてことをこないだフィギュアの打ち合わせから帰って、熱中症寸前でやばい状態になりながら強く念じました。エアコンは偉大です。氷を作ってくれる冷蔵庫も偉大です。

オーラバトラーが空を飛ぶマシンになったのは、あるいはドムがホバー移動するようになったのは、ひとえにリソースの節約のためです。歩かせたり走らせたりするだけで、作画や撮影がどえらい負担増になるんだそうな。昔富野監督のインタビューかエッセイで読みました。たぶんATなんかもそうだと思います。
で、それが演出として成功しているのがすごいところではあります。もう地を駆けずり回るダンバインとか想像できませんよね。ドムだってあれですごいキャラ付けになったし。ローラーダッシュなんか、一時期あの手のロボ物のスタンダードになったし。

じゃあ操兵はどうかといえば、召喚できるのもありますが、基本はベタな地を這いずるマシンです。ってのは、結局先達が飛んだり滑ったりしてたからです。当時としては原点回帰を狙ったわけですね。アニメじゃないですし、作画の手間とかは考えなくていいので。
それが正しかったのかどうかはわかりませんが、そういう個性を打ち出せたことは確かだと思います。便利さと縁遠い設定になっているので、前回の武器の話みたいな思考実験とかたくさんやりました。やりすぎると不便なだけだったり、そこまでやんなくてもとか引かれちゃうので、どこまで見せるか、設定としては存在していて、描写する側が意図して表現に織り込むのはどのレベルまでかを吟味しながら作っていった記憶があります。
大事なのはらしさで、それをどう匂わせるかと申しましょうか。

残念だったのは、段階を踏んで表現の分解能を上げていったり、設定の公開をやろうとしていたところが、諸般の事情で連続して発表できる場を失ってしまい、中断したままになっていることなんですが、これからその続きを少しずつできればと思ってます。
年代記を続けていられればとも思いますが、こればっかりはこちらの力不足で。
まあ、聖刻リブートの今後にご期待いただければ幸いです。

日下部匡俊