聖刻シリーズをご存じない? では、まず『聖刻シリーズとは』、『聖刻日記 #3』などに目を通していただければ。
聖刻リブートプロジェクトにとって激動の2017年も、そろそろ終わりに近づいてきました。
が、こんなものはまだ序章にすぎません。ここからが本番です。
そんなことを肝に銘じつつ、今日もこんなものを書いてます。
いま、この日記以外に書いているのが『聖刻の大地・第1話 Part2』です。とっととやらないと年内に終わらないのでとっととやってます。
そもそも『聖刻の大地』とは、聖刻シリーズ(ほぼ)共通の舞台であるアハーン大陸の新しい物語を創造するプロジェクトとして始まりました。
従来の聖刻シリーズ、1092や群龍、そして年代記(ワースブレイド)は、基本的に封建主義的な国家群に支配された世界で、操兵も非常に強力なオーパーツ的な武器として描かれています。
普通に考えれば、これらの作品は相応に支持を得ているわけで、このパターンを崩す必要はまったくなかったわけです。が、だからこそ、あえて違うものに挑戦したかった。旧来のものに固執していては、縮小再生産にしかならないからです。
聖刻リブートプロジェクトは、昔の作品を引っ張り出して、それをほそぼそと再利用して小遣い稼ぎをしようというものではありません。このシリーズの持っているポテンシャルを見直して、新たなシリーズとして再始動するためのものです。
ですから、古いものをただ持ち出すだけではダメなのです。
というわけで、聖刻の大地も当然そういう方向で考え出されたものでした。
見た目には、そんなに変わってはいないかもしれません。相変わらず操兵がいますし、文明レベルもそれほど進んでいません。大地にはマスケット銃相当の火器はすでに発明されていますが、火薬さえ発明されれば、そこまで行くのに1092あたりの世界から1世紀もかからないでしょう。両者の間柄は、文明的に隔絶しているというほどではありません。
が、その内実はかなり違っています。空気も、世界のありようも。
大地のアハーンでは、聖刻は大幅に力を失い、僧侶たちもその秘術の大半を使えなくなっています。が、それは、この世界で魔法的な力を使えないということを意味するわけではありません。いや、なにもしなければ使えないも同然なのですが、そこは蛇の道は蛇、純粋に技術的な手段で旧来の領域を瞬間的に作り出し、その瞬間に術を行使するという離れ業を編み出しています。
つまり練法師や僧侶たちに連なる存在はいるのですが、見た目はまったく異なっているという。以前、スチームパンクがどうとか書いた覚えがありますが、それはそういうことです。もちろん、そのまんまでは面白くもなんともないので、設定もビジュアルもこれからさらに詰め直すつもりではいますが。
あれですよ、年代記のズィーダル・ハークスが持ってた後半の武器。やってることはあれに近いのかも。呪封筒とか、そんなレベルではないですが。
で、仕掛け的にはそれだけではなくて、そういうことをしていると、せっかく安定しかかった世界の均衡が徐々に崩れていくわけです。旧世界の厄介ごとは、全部南の大陸に封じられているはずなんだけど……という流れで、話が進むにつれて世界がしっちゃかめっちゃかになっていくと。
でもその辺も、既存作品のような描写は避けて、でも腑に落ちるというところに落ち着ける考えです。決して、最終的に血界某のような世界にはなりませんが(どっちかというとHLはワースブレイド東方に近いかなー)。
確かに現代風の世界で女子校が舞台というところまでぶっ飛んではいませんが、まあ似たようなポテンシャルは確保するつもりです。乞うご期待。
日下部匡俊