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古代狗(ク)王朝は、人間が東方の地を支配するまでの数千年の間、穏やかに栄えたと言われています。
九尾獣の加護を受けた人ならぬものの王国は、さまざまの叡智の結晶を作り出し、そのいくつかはいまだに東方の地の各所に隠されて眠っていると伝えられます。

例えば、御仁(おに)の巣窟として知られる狭金華(さきんか)盆地は、狗王朝の遺跡である黄山(おうざん)が多数見られる地だとされています。黄山は正確に切り出された麟黄岩(りんきがん)を円錐台に積み上げたもので、作られてから数千年が経過しているにもかかわらずまったく風化していません。
黄山が何の目的で作られたのか、いまだに明らかになっていませんが、御仁たちは黄山を守るように行動していると言われます。また、狭金華盆地の外にもいくつか黄山が築かれていますが、この周囲でもよく御仁の姿が見られるようです。
黄山が、御仁にとってどのような存在なのかはまったくわかっていないものの、勢力圏の外にあるものまで守ろうとしている事実から考えて、相応に重要な存在であることは間違いないでしょう。
しかし、人間にとって敵対的な種族である御仁から、黄山について聞き出すことはほぼ不可能であると考えられており、現在は古代狗王朝と当時の御仁との関係について調査、研究が続けられています。

狭金華盆地の南にある山岳地帯には、琉面峰(りゅうめんほう)と呼ばれる異形の岩山があります。その形状は、一言で言えば逆さに突き立った(厳密には、正確に西を向いて逆立ちした仮面が、北東に傾いでいる)仮面としか表しようがありません。
これも、狗王朝の遺産と考えられています。九尾獣イロン・オーの守護する領域の中にあるため、立ち入って詳しく調査が行われたことはありませんが、周囲の魔力の干渉具合からそれが仮面として機能している可能性が高く、これが古い人工物であることは間違いのないところでしょう。

このほか、聖刻教会の本拠地である吾伽式(あかしき)国の都、伽式恒(かしきこう)も、その地に昔から存在した遺構の上に構築されたものだと言われています。伽式恒の地は魔を払う結界の中にあり、周囲にひしめく危険な生物たちがほぼ存在しない真空地帯として知られていますが、伽式恒全体が構成する術式だけでそれほどの効果は期待できず、なんらかの隠された追加の結界が存在することが想定されているのです。

そもそも、東方全体が濃厚な魔力に満ちた結界とも言うことができるわけですが、こうした異常な環境を構築したのが狗王朝であるとする説があるほどで、近年、それを補強する傍証がいくつか発見されたという報告もあります。

あとルビ多くてすいません。東方なもんで。

日下部匡俊