昨日も東京は異常な暑さでしたが、今日も気温は低いはずなのに強烈に暑いのです。なぜですか。
唐突ですが、大地の練法師の話。
練法は、もう何世紀も前にほぼ絶滅した技術です。なぜなら仮面がほとんど残っていないから。高位の術は、試したくても試せないのです。というわけで、いわゆる呪文の書みたいなものがたくさんあるのですが、たいていが妄想とか中二病の産物で、正しい情報が記された資料はほぼ存在しません。そもそも練法師って偏屈な人間が多かったので、自分の技を不特定の他人に伝えようなんて酔狂なのはいなかったのです。
この時代に練法師を名乗るような人間は、ちょっと頭のネジがゆるんじゃった人か、別の意味でやばいヤツのどっちかです。前者は相手にするだけ無駄ですが、後者は相当厄介です。
なにしろ失われた技芸を現代に復活させようという人間ですから、相当に執念深く、慎重で、忍耐強く計画を実行に移すタイプです。確かに練法師として強力な術を使えるわけではないでしょうが、目的達成のために強固な基盤を持つ組織を支配していることが多いため、関わるとろくなことがありません。
まして、そういう人間の何人かは封都を根城にしていたりして、かなり高度な技術を手にしている可能性があります。封都は古の技や物品の宝庫ですから、その種の知識をかなりの量溜め込んでいると考えたほうがいいわけです。
こうなると、昔の栄光を夢見るイカレた集団と一笑に付すわけにはいかなくなります。
正直、水源組合より厄介なことは間違いないでしょう。彼らは地回りのヤクザのようなもので、組織への忠誠心が生存本能に勝つということは多くないと思われますが、この時代の練法師団は、統率者がカルト宗教の教祖のように下を支配していて、命を惜しまないで襲ってくる可能性もかなりあるので。
ところで、居場所を奪われる格好になった封都の元々の住人、ツキヨミはなにをしているのか。彼女たちがやられっぱなしでいるものなのか。そこになにか深い考えがあるのだとすればいったいなんでしょう?
という感じで『聖刻ノ猟手』は続いていく予定です。
日下部匡俊