更新が遅れたらアレ見てたせいです。惜しかったなー。もう一日楽しめたのになー。7戦目まで行けば、どっちが勝ってもよかったんですが。まあいい試合見られたのでお腹いっぱい。また来年。
中原人は、大街道伝いに世界中に広がっていきました。特に西の方には、海の大街道を伝って移動したため、この集団はフェルム人と呼ばれる海洋民となりました。
フェルム人はワースブレイドの時期において、西方の1割ほどを占めるほどにまでなっています。西方の西と南の沿岸部は、ほぼ彼らのテリトリーになっていて、特に南には当時最強の海洋帝国〈ガッシュ〉があります。
西方は地形的に陸を通って北部と南部を往来できないので必然的に海路をとることになるのですが、この海域を支配するガッシュの帝国に通行税を支払う必要があります。中にはそれを無視して通行しようとした船団もあったようですが、そういう場合はなぜか決まって海賊が出没し、ほぼ例外なく略奪の憂き目にあっています。
というわけで、ガッシュの帝国は長きにわたって東西交易の北部の取り分をかなりの割合でかすめ取ることになりました。ちょっとやりすぎて、後に南部の国家連合に手痛い目に遭わされることになるんですが、これはのちに南部大戦と呼ばれる大戦役の一連の出来事のひとつです。おかげで帝国は新興国ラウ・マーナと同盟関係を結ぶことになりますが、この同盟が西方の勢力均衡をぶち壊すことになったりして。
フェルム人は商人でもあったので、沿岸部だけではなく、内陸部にも深く入り込んでいました。北部の政治の中枢にいることも珍しくなく、ダンバキノ、ソーダリ国の国民の何分の一かはフェルム人の血が混じっていると言われます。
宗教国家であるリアン、バリアンの両国は人種的純血にこだわる傾向があり、フェルム人の比率は低く、国政の中枢にその姿を見ることは少ないのですが、かわりにフェルム人商人なくして国内経済が回らない状態にあり、圧倒的多数のアハル人にはない特権が与えられている人々も少なくなりません。
彼らの特徴はあくなきバイタリティと、身体の頑健さでしょう。民族的に教育システムも発達していて、商人の下で奉公に出されたフェルム人は、ほぼ例外なく文字の読み書きができ、かなり高度な数勘定ができます。教養が強みになることを、彼らは経験的に知っていたのです。
もちろん貧しく無教養なフェルムの人々も珍しくありませんが、彼らは相互扶助の気質が強く、困窮した集団はしばしば同族を頼ってかなりの人数が移動することがあります。過去には地域を混乱させるほどの大移動もあったりして、フェルム人が西方の歴史にあたえた影響はかなり大きいようです。
日下部匡俊
年表にある謎の民族とか武装集団は、かなりの割合でこいつらって話も。