聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いです。
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『剣の聖刻年代記』というくらいなので、お話の中心には常に「剣」が存在しています。
例えば四操兵編だと、やはり〈制魔の剣(ゾーン・マギシーナ)〉でしょう。物語の発端もあれの力が失われたってところからだし、最後は決着をつけるために必要でしたし。
ある意味、現状年代記で一番露出の多い剣かもしれません。
ちなみに、ゾーンと対になる人間用の〈朱鞘の剣(モーン・マギシーナ)〉は、はるか未来のデイル編へとつながる役目を果たすことになります。逆に四操兵中じゃほぼ出てませんが。

デイル編というか、『黒竜戦争』では、なぜか朱鞘の剣は、主人公のひとりガ・デン・ナーグの手に渡っておりまして、これが黒の帝国のロート・ブレイドゥのもとに行くことになっています。でもって、ナーグの操兵パルダ・ブロードが持っている剣も「制魔」って呼ばれておりまして。てことは、ガーヴスの剣が両方とも他人の手に渡っちゃったのかと言えばそうでもなく。

時系列的にゾーン・マギシーナが宿敵の胸から引き抜かれるのは、ナーグの操兵が制魔の剣を手に入れたのより後なんで、剣としては別物のはずなんです。
これはつまりどういうことかというと、古代の大惨事をもたらした操兵〈軍神〉の武器のひとつに、同じタイプの武器があったってことです。というか、ゾーン・マギシーナはそれをもとにしたもので、より洗練され、強力なものになっています。
ちなみに南部では、ゾーン…の失敗作がいくつか発見されていたりします。
でもなぜか朱鞘の剣は本物だったりして。
ナーグは、のちにロート・ブレイドゥに打ち果たされ、朱鞘の剣がロートの手に渡るのはその時のことです。パルダの制魔の剣はデイルを救うために投げていて、回収したのはソーダリの騎士たちだと思われます。

朱鞘の剣は、その後「黒竜神の生贄」の手に渡り、そこで彼女を現実につなぎとめる役割を果たします。いわば、世界が混沌に沈む危機から救う一翼を担ったわけで、その存在は物語上でも非常に重要な位置を占めていたことになります。

あ、デイル編と黒竜戦争の話の食い違いですが、黒竜戦争の方が事実に近く、デイル編で出てきた過去は記憶が改変された結果です。事実に大きな食い違いはないんですが、それが起きたことには理由があります。
2巻が出たら、そこに書いてあると思うんで、気長にお待ちください。なんとかします。

で、東方編である『梗醍果の王』では、裏音秘聖刃という〈八の力〉を制する剣が出てきます。これ以上にない象徴的存在ですが、実はこいつはメインではありません。
東方編の「剣」は、主人公ショク・ワンも使う〈飃雷刀術〉の使い手たち(ほら儀象然士とか)や、龍亜人エギガスの「闘剣」、そして聖刻教会の剣士たち、です。実はすごく抽象的な存在がお話の中心なのです。

そして。次のお話の「剣」は——まあ〈闇の輝き〉ってことにしときます。

日下部匡俊

Twitterでも一報がありましたが、今週末に1092とワースブレイドのグッズが予約販売開始されることになりました。けっこういいところからの発売だったりします。
いろいろ発表できないことがあって、こっちももやもやしてたんですが、一応やるべきことはやっておりますのです。
引き続きレギオン試遊会関係とか(も、もうちょっと時間を……)、いろいろあります。よろしくお願いいたします。