聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』、『聖刻日記 #3』、『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いです。
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思えば、拙著では操兵って特別な存在じゃないんです。
いや、主人公たちにとってって意味で。あんなに操兵が希少な世界なのに、必ず主要登場人物の誰かが持ってるか、最低でも目の前通って行ったりするわけです。
そもそもこれ、自分の聖刻シリーズへの向き合い方そのまんまだと気づきました。たったいま。
自分にとって、聖刻世界で操兵が主人公サイドに存在するのは当然のことだったんです。あんまり当然すぎて、ワースブレイドではプレイヤーキャラクター(以下PC)が操兵に乗るのは別に書かなくても確定事項だし(PCに操兵を安易に与えないようなセッティングなのは、乗った時の達成感と、操兵が希少であるという印象づけのため)、逆にPCの操兵が弱っちくならないように、他の操兵持ちはそんなにたくさんいるわけじゃない。そんな感じ。
操兵の維持費なんかも、結局そこらはマスター(ワースメイカー)の胸三寸なので、操兵の維持費を稼ぐのを日常に置けば、とりあえず毎回のネタ出しも楽になるかなーって考えていたふしがあります。維持費のために出た冒険で……とか、維持費が払えなくて困った末に手を出した仕事が……とか、いっそ宮仕えしちゃえって話になって、とか。でもって、そこからキャンペーンの幹になるシナリオへ誘導していくのがいい流れかなと。
いやそういうアドバイスをどこかに書いていたかといえば、書いてないわけですよ。う、うーむ。
い、言い訳しますとね、PCサイドに操兵いて当然って思ってなかったら、スタートセットのシナリオなんかあり得ないわけですよ。いきなりヒーローメカですよ? ガーヴス1体には確実に乗れる話ですからね、あれ(バイン・ドアーテ分捕った猛者もいたはず)。『魔王の復活』なら、その気があればエルグス、マイグスも行けるわけです。
シナリオの難易度はそこらへんに捨て置くとして!
コンベンション用のシナリオとか、イエサブさんで扱ってもらった街シリーズなんかも、必ず操兵手に入るセッティングでしたよね。
こっちで作ったシナリオだから、特別に操兵使わせてやるとか、そんなことはないんですよ? 調べていただければわかるかと思いますが、操兵が手に入らなくてOKなんてシナリオ、公式レベルではひとつもないはず。
一般に開放したシナリオではないですが、その後の『聖者の仮面』だって、カスタム従兵機ジング・マリエルに始まって、最終的にサーズディンで無双ですよ(よりによって操手は俗業の公証人でしたけどね……本命の戦士は一切乗ろうとしなかったし、そもそも生身で操兵の足ぶち壊してたし。あれ、こっちのセッティングじゃないですから。全部プレイヤー任せですよ)。操兵に乗ることを重要に考えてなかったのって、『カイ・ダイン』くらいじゃないのかな(手に入ったうちの1機はペット扱いだったもんな)。またへそ曲がりなプレイヤーばっかりで、操兵に乗ることより変なことするのに血道あげてましたからね。最高でしたけどね。
ああ、でも僧侶が操兵に乗れないのは、あの世界観だからです。そういや徳の高い僧侶は1092ですら操手やってないですね(僧侶として階位はもらってるけど実質騎士ってのは別ね。それは年代記でもそうですし)。これは作者間で示し合わせたわけではないんですが。やはり徳を積んだ人たちは、信条的に乗らないんじゃないかと。1092あたりだとスキルだけは持ってそうですよね。
だから、招霊衡法や気功法が異常に強いのです。手間が少なめだったり、やりようでは操兵ぶっ倒せるようになってるのは真面目にそういうことです。操兵に対しては、命がけで立ち向かって、という条件付きですが。
あと練法師がなかなか乗れないのは、呪操兵乗るってだけで十分美味しいからなんだけど(もうそれだけでキャンペーンの大山って感じ。いざとなったら手軽なキードラ・マーフもあるし。黒の帝国絡みでいくらでも出せるぜ!)、ダメ……ですかね、やっぱり。
日下部匡俊