本シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをご一読いただくと、それなりに意味不明な部分がわかるようになったりするかもしれません。
聖刻-BEYOND- PV絶賛公開中!

話題的には昨日の続きです。
や、たまにこういうのやって間口広げないとですね。

聖刻1092とほぼ同時(さすがに30年やってると、1年ぐらいの差は誤差の範囲よ)にリリースされたのが、TRPGワースブレイドです。
当時、TRPGにハマっていたスタッフ一同が、聖刻シリーズの世界を手軽に再現するために作ったと言って過言ではないものでした。
聖刻シリーズに多様性が生まれたのも、このワースブレイドあってのことだと思っています。
というのは、聖刻1092を追体験するゲームでは、その後の広がりが期待できないと考えたからです。というわけで、ワースブレイドは1092の作者千葉先生が参加しつつも、(少なくとも当初は)アハーン大陸西方を舞台にした1092とは無関係の設定で始めることが決まりました。

そんなこんなで制作開始したワースブレイドでしたが、作っていくうちに1092とは確かに違うものになっていくのを感じました。そりゃあそうです。練法は自由に使えない、操兵に乗るにも制約が大きくて、およそ1092のような活劇など望むべくもない。
いやまあ、TRPG一般の感覚から言えば、ある意味当然だと思うんですけどね。だって、いきなり時間遡行できる練法師とか出てきちゃあねえ。1092ならあれで無問題ですが、駆け出しのキャラがあれやっちゃあ、すぐに飽きがきちゃうってもんじゃないですか。
前にも書きましたが、一度ゲームでチートを覚えると、その状況から抜け出すのは難しいので。PC版のウィザードリィでね、そういう経験をしたもんで(お前だけだそれはってツッコミはなしの方向で)。

でまあ、1092の登場人物って、あの世界の中で割と全体的に上限に張り付いてるレベルだと思うんです。クリシュナ、ガルンあたりは発展途上かもしれませんが、いやでもほぼ完成形であとはレベリングだけって状態ですし。聖華八門なんかはアホな執着が強いだけで、能力的には全員怪物ですし。フェンなんか異能生存体だしなあ(まああの手のヒーローは全員そうですが)。

なわけで、レベル制のシステムではないですが、序盤はそれなりに不自由に、そしてそこで力がないなりに知恵を巡らせて強い相手をやっつけて、力の使い方を覚えてもらってから、あとは好き勝手やってもらうっていうガイドラインに沿ったデザインをしようという話に相成ったわけですが。
前に、練法の高位レベルってイベント用って書きましたが、もちろんそれだけではなくて、1092に出てきてもなんとかなりそうなくらい強い感じでやれるように設定したものもあるわけですよ。〈紗空天丈〉(陽門11レベル)とかね。あれ割と使いやすい感じにしてありますが(結印時間が長いように思えるけど、あの威力を思えば……当たりさえすれば、回避不能でなんでも光の刃でズドン、ですからね)、あれくらいの術使えれば、八の聖刻はともかく、そこらへんの強そうなのに喧嘩売れそうでしょ?

いやまあ、そういうことはともかくとして、とにかくシリーズに別ラインを成立させるという試みは、そこそこうまくいったんではないかと思っています。少なくとも当時の情勢的には。

日下部匡俊

連日遅くなってすいません。猟手のその3追い込んでるところなので。もうちょっとだけ時間を……ください。