自分のデビュー作は『剣の聖刻年代記』ということになっていますが、実は本当の意味で一番最初に書いた商業作品は『呪法宇宙』というものです。
いつか続きを書いてやろう(ついでに最初ので泣く泣くカットした部分と、ラストの冗長なところを書き直すんだ!)と思ってるんですがそれはさておいて。あれは、オカルトとしか思えない敵の使う力の原理を(中途半端にだけど)解き明かし、それを機械的に再現することで対抗しているってのが肝なんですが。
このコンセプトは別に目新しいものでもないし(80〜90年代SFの発想はもっとすごい)、他の作品で焼き直しするつもりもないんですが、こいつを一歩半くらい進めてなんかできないかと。ワースで。
ここんとこ何回か書いてる大地に仕込んだ仕掛けってのは、実はこういう方向です。ファンタジックな魔術関連は確かに衰退方向でほとんど残っていませんが、かわりに何かが生まれつつ(というより別方向からのアプローチで復活しつつあるというべきか)あるという状況です。
聖刻の大地は人間が主の話ですが、世界レベルで陥る危機は既存のものと似たような感じです。まあ、当事者たちにそういう実感はないと思うし、実感が出た時点でアウトなんで、結局スケールのそんなに大きくない話が延々続くんでしょうが。
ここに、ハムル・ラバルに仕込んである仕掛けがくっついて、この世界が他のとはちょっと違ったおかしなものになっていくわけです。
日下部匡俊