聖刻ってなにか、という話は『聖刻シリーズとは』、『聖刻日記 #3』などで。
というわけで、聖刻シリーズは小説やその他のメディア展開と、TRPGワースブレイドの両輪でここまで続いてきました。
聖刻1092や群龍、年代記を指してワースブレイドと呼ぶ人が多いのも、そのあたりが関係あるのだと思います。まあワースブレイド、名前としては一番覚えやすいですしね。
しかしなにより、ロボットの登場するファンタジーで終わらせなかったことが、ここまで長続きした理由だと思っています。
それは、聖刻1092や群龍伝が奥深い雰囲気を持った作品であるという点はもちろん、ワースブレイドで設定された(1092などとは若干異なっていますが)世界設定による作品の補強が功を奏した結果なんではないかと。手前味噌ですが。
アハーン世界の構築と申しますか、設定は、TRPGを制作する上で必要不可欠だったから作ったまでのことで、特別になにか高邁な理念とか目標があったわけではないんですけどね。
つまり、これはかなりの幸運が働いた結果でもあるわけです。この幸運をそのまんまにしておく手もないので、いまでもこんなことをしているわけですが。
さて、現在、聖刻シリーズは新作BEYONDも刊行され、今の所web上だけの展開ではありますが、『聖刻の大地』という新設定も制作中です。
#187でも触れましたが、聖刻-BEYOND-は、これまでのシリーズとは一線を画し、従来のアハーン大陸ではない(ように見える)世界が舞台です。従来の作品のようにヒロイックファンタジーではなく、どちらかといえばダークファンタジー的な作品になっていますし、主人公もいままではありえなかった学園に通う少女たちという、まるでそういった層に媚びたかのようなものになっていますが、もちろん全部狙ってます。
聖刻シリーズ新作という意味では、たぶん20年ぶりになる作品です。もちろん、従来の作品の内容を踏襲したものでも、面白いものを作る自信はありました。けれども、広く世間にもう一度聖刻シリーズが名乗りをあげるためには、いままでのスタイルに固執していてはいけない、というのが企画段階での結論でした。
だからと言って、特定の層に媚びるためにああした設定にしたわけではありません。少女が主人公なのは、物語の流れの中での必然ですし(1巻を読んでいただければ、あれが少年やオヤジどもでは語れない話だとお分かりいただけると思うんです。気持ち悪いとかそういうの抜きにして)、これから展開する物語は、単なる能力バトル物ではありません。や、能力バトル物を否定してるわけじゃありませんけど。オレ、大好物ですし。
PVご覧になった方はお分かりと思いますが、ラストであの方の実体がちゃんと鎮座ましましていましたよね? そりゃ実体があるのにそのまんま動かないなんてことがあるはずもなく……いやまあそういうことで。
聖刻リブートはまだまだ続きます。BEYONDのアニメ化企画は深く静かに進行中ですし、その勢いをかって、他のシリーズも続けて再起動をかけられれば、というのが本プロジェクトの目標でもあります。
日下部匡俊