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昨日の続き。
前回は、操兵はとにかく兵器としては強力なものの、困った代物でもあるので、兵站がかなり重要という話でした。
で、バックアップばかりではなく、実際の運用でもとても困ったちゃんです。
歩兵が進軍する場合、多少地形がアレでもまあそんなに困りません。いや困るけど、操兵ほどじゃありません。なんせ操兵は全身が鉄です。大変に重いので、地盤が脆かったり、近くに水源があって足場がゆるい場合、それだけで足止めになってしまいます。当然ですが空を飛べる機体はそう多くは存在しない(というか、正規軍が保有するような機体ではまず飛べるのなんかいない)ので、一度擱座すると回収がとっても大変なのです。
いやだって操兵、10トン弱ありますからね? こいつを持ち上げて自力歩行できる場所まで戻すのに、どれほどの労力が必要かっていうか(操兵使うと同じ轍を踏む可能性があるので、足場の確保か起重機持ち込むなどの作業が必要)。操兵は動けるので、ただの重しを持ち上げるよりはましかもしれませんが(重心移動させたり、障害になるものを避けたり)、下手に動いてドツボにハマる可能性も低くないので、この辺難しいところです。
しかもこれが複数だった場合(可能性は低くない)、かかる手間がたぶん等比級数的に増えるはずです。
ぞっとしますね。

実戦でも、操兵は簡単に壊れます。なんせあのヴァシュマールでさえ替えの手首を下げてるくらいですから。あれは旅をしているのであんな感じですが、他の機体も当然補修部品がそれはもうびっくりするくらい必要です。
いくら近代兵器よりはずっと単純とはいえ、人型をしている以上、可動部分が非常に多いわけです。それが8メートルのサイズで存在しているわけですから、それを支えるための細かい部品が結構な数あって、得物を振り回して殴り合うだけで、そこかしこがおかしくなっていきます。
なもんで、不調を訴えて戻ってきた機体は、そういう部分の破損を見抜いて、時間をかけずに補修する必要があります。腕利きの鍛冶師が必要な所以です。そんな鍛冶師がたくさんいてたまるわけないんで、当然時間がかかります。下手をすると完全には直らない可能性もあります。
まあ、狩猟機(高級機)はそういう細かい故障は自然治癒するんですが、それでも普通はその場で直るわけじゃないんで、実戦レベルに戻すためには補修が必要になりますし、これが従兵機になると直ることはないのでやっぱり直す必要があります。高級機ほど構造が複雑かつ繊細なので、手間がかかる傾向にあります。従兵機は良くも悪くも構造が雑なので、壊れやすさは狩猟機ほどではありません。
というわけで、「狩猟機なみの従兵機」というのが売りのザクレイという機体がありますが、こいつがいかに使えないかがお分かりでしょうか。狩猟機なみに壊れやすく、従兵機よりちょっといい力しかないので、メリットがほとんど感じられないのです。

ああ、話がそれましたが。

こんな感じで戦争やってますんで、そりゃ簡単に宣戦布告とかできないわけですよ。そうでなくたって戦争なんて面倒ごとばっかりですからね。操兵持ち出して、名乗り上げて殴り合ってればそれでかたがつくってものでもないわけです。
まあだから、傭兵とか雇って、さもオレたち関係ないよーってふうで戦いを仕掛けたり、プレッシャーかけたりするわけです。その方がまだましだから。本気の戦いには、それなりの覚悟が必要ってわけですね。

まだ続くかも。

日下部匡俊