練法ばっかりじゃなんなので、招霊衡法の話も。
身も蓋もない言い方をすれば、招霊衡法とは一般的なファンタジーものの僧侶魔法のことです。気功術も僧侶魔法の一種と見ることができるのですが、戦闘術である気闘法が含まれていて、基本本人か接触でしか発動しない仕組み(イメージ)なので、それではあんまりだろうということで、もうひとつの術法として設定されたのでした。
ワースブレイドの西方は、ペガンの神々を信仰する宗教〈ぺガーナ〉によって支配されていますが、気功と招霊の術を使う2大宗派が対立しており、ゲーム上の設定年代では招霊派である神聖ぺガーナが勝利をおさめていることになっています。もうひとつの聖拝ぺガーナの方は僻地である南部に追いやられていますが、この辺の設定は実は最初に書いた身も蓋もないところから生まれたものです。2種類の術があるなら当然派閥争いがあるだろうし、それなら血みどろの宗教戦争があったとしてもおかしくないよねっていう。
いやはや、どこからなにが出てくるかわかりませんね。
さて、招霊衡法は僧侶の使う術ですが、純粋に技術的なものです。高位の術になるとある種の天啓が必要で、そこらへんは神さまのご加護がないといけない設定ですが、低位の術なら基本誰でも習得できなくはありません(招霊は結構厳しい条件があるけど)。つまりそういうものです(原理的には空中を満たしている〈聖霊〉という霊的物質を言葉と意志力でコントロールするというもの)。
なので、実は招霊と気功の2派が争っている名目で、神さまがらみのものは全部嘘っぱちということになります。しかも厄介なことに、先頭で旗振ってるぺガーナの高僧どもはそのことを知ってるっていうですね(まあ嘘も方便的な要素はあったのだろうけど)。
神さまが下す奇跡はまったく別のもので、僧侶系クラスの必殺技(笑)です。エナジードレイン(レベルダウン)必須ですが、人間が振るえる最強の力と言えなくもありません。
日下部匡俊