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前も一度書いたけど、操兵デザインについて。
本当は福地先生がいないのにこんなこと書いちゃいけないんですが、操兵のデザインの本質はどこにあるかって話。

その前に、ロボットものそのもののデザインって、やっぱりその背景になっている世界の象徴だと思うんです。ガンダムなんか、UC以外のシリーズはその宇宙の象徴みたいになってるじゃないですか。あれ、商品的にそうでなきゃガンダムじゃないってのもあるんですが、すでにガンダムデザインがあの世界そのものを体現していることになってるわけですよ(UCはむしろジオン系のが象徴っぽいけど。モノアイとか)。
だから、象徴たりえないデザインライン引いちゃうと、世界そのものが一貫性のないぐずぐずなものになっちゃう感じです。

昔はデザイナーさんが専業だったし、そんなものは直感的に理解されている方々ばかりでしたから、こんなのいちいち意識しなくてもそういうデザインが上がってきてたんですが、ここで昨日書いた弊害が出てきちゃってて。そりゃあ、メカデザインの仕事が減少すれば、かつてのデザイナーさんたちのスキルも継承される機会が減っちゃうわけで。
とはいえ、まだ回復不可能なところまではいってないと思うわけです。すっかりベテランになっちゃってますが、デザイナーさんたちはまだ健在ですから。

てわけで、ここでは操兵に限ってですが(しかも限定的にですけど)、そいつをちょっと言語化してやろうかという無茶を。

そもそも、操兵というのはローテクな世界で、限られたリソース駆使して作られたロボットってイメージです。でっかい鎧兜って認識に近いかもしれません。こいつは厄介なことに精神論が物理的に通用する世界なので、操兵作りの名人は単なる技術者という位置付けではなく、神がかった人とか、そういうイメージです。
こういう部分を基本にして作られた巨大からくり人形が操兵なんだと思います。ですので、デザインが福地先生の作ったラインそのまんまである必要はかならずしもないし(たぶんやってもマネのレベルで終わっちゃう可能性大。そりゃオリジナルの人の方が上手に決まってますから)、むしろ新機軸を打ち出す方がいいんじゃないかと思っています。
藤井先生の操兵なんかもそうですよね。西洋寄りの解釈ですが、ちょっと神がかったイメージの巨大鎧武者を見事に表現されていると思うわけで。

もちろんディテールへのこだわりも重要なんですが、ディテールってのは全体を構成するために必然的にそういう形であることが多いので、そういうかかり方をするなら徹底してディテールの合理性を追求して描いていくという考え方が必要なように思います。
ディテールから作り始めるってのが間違いってわけではないですが。ザクのモノアイとか動力パイプとか、あそこから思いついて描いた(かどうかは知らないですが)としても、なんか納得いくくらいザクって機体のキャラ付けになってるじゃないですか。MSの持ってる方向性を決めたといっても過言ではないというか(あと個人的にふくらはぎ)。

よく言われることですが、ロボのデザインはメカから出発しちゃうと人間の形をした機械って形になっちゃいがちなので、むしろまったく別のもの、例えば服飾とか、動物とか、そういうものをベースにするとうまくいくって話もありますね。操兵が巨大甲冑のイメージってのはまさにそういうことなんでしょう。ただ、甲冑だけならどうしても限界があるんで、いろんなものをモチーフとして持ち込むのはアリなんじゃないかとも思います。

日下部匡俊