聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』、『聖刻日記 #3』などをご一読いただければ幸いです。
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拙著『剣の聖刻年代記』にはデンという国が出てきます。この国があるアハーン大陸の西方南部ではそれなりに大きな国ということになっていますが、有力諸侯の派閥争いが非常に激しく、見た目ほど平和でもお金持ちでもありません。
ついこないだ(こないだ?)もそれに巻き込まれ+αで、さる諸侯の長男坊が追放されたりしています。ていうか殺す気で追いかけたのに、逃げられてしまったんですが。まあそれはどうでもいい話で。
デンの王都はサグドルといいますが、さすがに大国扱いされてるだけあって、相応に大きい都市です。
高地にあるんで寒いんですけどね。おかげで周辺地域が冷害に襲われやすくって大変。まあデンの南を除けば全部そうなんですが。でもって、南は森林地帯で耕作には適さないという。開墾すればいい? まあ、巨獣や食人植物や厄介な魔道の遺跡を根こそぎできればやるんでしょうが。
それはともかく、大きい都市ですんで、いろいろあります。スラム街はもちろん、商人街、工人街、もちろん軍事関係のスペースも。飛び地だったりしてこれも結構面倒。
商人街では、ケブレズ(=ケブレス山岳民。西の山地にいる怪物使いの民族)の扱う香料、香木の類が密かに取引されていて、ついこないだ王さまが取り締まったはずなんですが、やっぱりそういう快楽を促す物質ってのは始末に負えないもので、現在も相応に取引されています。
あんまり徹底して取り締まろうとしたせいで、市場が潰れそうになって、商人たちが必死で立て直したはいいけど不信も買っちゃって、王様が暗殺されてすぐに王妃が摂政になっちゃったのには苦笑するしかありませんでしたが。苦笑もなにも、そういう筋立て考えたのはオレだけど。バカみたいですね。
いやそんなことはどうでもよくて。
一応大都市なので、当然商人街なんかには屋台が出ます。少人数の家族なんかだと、飯はその屋台で食べたりします。そういうところは東南アジアとそう変わりません。川沿いの屋台でカニは食うなとかね。火の通しが甘いと一発らしい。昔香港にさる作家さんに誘われて行って、現地の接待で貝類の刺身もらった時に、彼らは塩で食べてたのに、こっちにはしゃぶしゃぶを勧めてきたのはそれだったかと自分で書いといて驚いてます。
ていう話は当然サグドルの屋台でもあって、川沿いで魚介出してる店は煮込み以外近づくなっていうのが常識です。でも店は成立してるので、それなりに客は行ってるんですね。何人生きて帰ってきているのかは知りません。
まあ上記の話は東南アジアのあたりの話なので、サグドルの気候なら腐敗した食べ物で腹を壊す危険は減りますが、たぶん寄生虫の類はそうはいかないでしょう。
ってここまで書いて、今日は『剣の物語』のネタバレついでに、買い食いの話を通してこういう場所で飯を食べるって大変だよーって話をしようとしているだけなので。
長い。つづく!
日下部匡俊