聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをご一読いただければ幸いです。
聖刻-BEYOND- PV絶賛公開中! そして、聖刻-BEYOND-大好評発売中です。

続きー。
そもそも、どうして買い食いの話になったかというと、いま書いてる(書こうとしているが正解か)話の冒頭がそういうシーンだから。
こいつ、オレの個人的モチベーション維持のために『剣の物語』第2話(年代記のパターンで1巻につき2話構成だから)のちょっと後から話が始まってるので。

操兵を使った模擬の集団戦をやらなきゃ! ってシャルクのカルガル家が言い出したのが、さる事件があった直後のことでして。ああいうことが起きるのは、この辺の国々が平和に慣れきって弛んどるからだというわけですよ。ここはひとつ、国家の威信にかけて操兵同士で擬似的にでも戦争を体験しておかないとと。
なんとも傍迷惑な話ですが、カレビアではさる人物(デイル)を巡ってカレグ・カーナという小都市が包囲される始末で、そのすぐ後にあんなことがあったりしたもんで、誰もそうじゃないだろうと突っ込めなかったわけです。逆らうと、シャルクとの取引で農産物とか仕入れてる(シャルクは一大農業国なのです。カルガルももとはと言えば一介の農夫からの成り上がり)ところが困窮するのは目に見えてましたし。

というわけで、渋々ながら、シャルクのほか、デン、カレビア、そしてゴーラン連合という超国家規模で編成されたヤツの全部で4つのチームがエントリーすることになりました。シャルク法主国主催の操兵闘技大会(仮)に。

で、冒頭シーンが、デン王国の王都サグドルの正門にほど近い通りの屋台街なわけです。前回も書いた通り、近くには浅いあんまり綺麗じゃない川が流れておりまして、そこから適当に拾ってきたカニとか巻貝とか料理して売ってるわけです。厄介なことにこいつら、1/3くらいの確率で毒持ってて、死なないけど腹は盛大に下すっていう微妙な代物。
じゃあうまいのかって言えば、地元の人間はよほど好きじゃなきゃ半笑いで避けてるってモノで、好きな人間は好きな人間でその毒に免疫あるのでさして困らないっていう。

サグドルで、よせばいいのに川縁の焼きガニを食べようとしているのは、カレビアに雇われた西方将棋の名人サンカという少年です。齢15歳。聖刻に対する感受性ゼロ。純粋に彼は戦略、戦術面の才能を見込まれてスカウトされました。
カレビアという国は、平たく言えば賞金稼ぎを生業にする連中が集まってるところで、従って闘技大会に出るのもそういう連中の寄せ集めです。ゴーランも大概ですが、あそこはまとめ役のゴーラン結社とかいうのが胡散臭いものの、参加している人間はまっとうな操兵騎士ばっかりなので、そういう意味ではむしろはるかにまともと言えます。
というわけで、敵情視察のために果敢にも潜入を画策したサンカなのですが……。

まだカニ食ってない。

日下部匡俊

遅くなったのは書けなかったからではなく、いろいろ時間切れで夕飯作り&食べ食べモードに入っていたからです。カーリング見てたのは認める。