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ごめんなさい。太極拳なんかやってるんで、本来ならこんなこと言っちゃいけないと思うんですけど。
気功って、あれ気分ですよね。プラセボと言ってもいい。内気功はまだ別な現象をそういう言葉で呼んでも怒られないかなと思いますが、外気功なんてあるわきゃない。血流とか呼吸とか、そんなもんで物理的になにかする力が生まれるんだったら、人類こんなに苦労してません。

その上で、気功法とかやってるのってどういうことだって突っ込まれそうですが、だってねえ、フィクションですしねえ。ファンタジーなわけだし、現実との整合性なんて取る必要ないですよねえ。おなじフィクションでも航空機が舞台の話とか、時刻表ミステリーとかなら、その方面で嘘をつくのはなかなか厳しいですが、ここまで嘘だらけだとなにやってもわかんないので。
ちなみに時代小説なんか、ファンタジーに似た感じがしますが、あれはその時代の社会や風俗なんかを知らないと書けないんで、実はかなり縛りがきつかったりしますね。
時代小説って言っていいのかわからないですが、JINってあったじゃないですか。あれの小説書かせてもらったことがありますが、なにげない描写にどれほどの事実的裏付けがあるかわかったら、ちょっとびっくりしますよ。わかってたつもりなんですが、見るとやるのとでは大違いっていう。いやー、あれは本当に勉強になりました。

とはいえ、現実と重なる部分の嘘は、さすがに受け手側に相当の違和感を覚えさせるので、そこらへんはきちんと調べて作り込まなければならないと思います。例えば人が集まって暮らすことでなにが起きるかとか、大規模になったらどうなっていくかとか、そこらへんは現実にある程度わかってることですから、調べずに自分の見識の範囲で適当なことやっちゃうとダメなものを作っちゃう危険が非常に大きくなります。鼻のきく人ななんかは、そこのあたりきちんと嗅ぎ分けて、もっともらしいことを書けちゃったりするんですが、それはそういう才能の持ち主だから可能なことだし、どのみち限界は訪れるので。

まあなので、ワースみたいなものは入口こそ緩いんですが、入ってずんずん進んでいくとどえらいことになるので、ドMにはぴったりです。自分たちで適当に決めたことに、20年以上もたってからがんじがらめにされてたりね。笑っちゃいますよう(泣)。

日下部匡俊