聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをご一読いただければ幸いです。
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Netflixに加入してるもんで、スタートレックには不自由していません。というわけで、こないだTNGを見たんですが、なんてことだ、あんなに映像古臭かったっけ? っていう。30年前の作品なので、そりゃ当然と言えば当然なんですけども、TOSより作り込みが増えてるだけで、リフトの動きはガタついてるわ、ブリッジの作りは安く見えるわで、愕然としております。
データの台詞回しもちょっとなあ。AIってものがそもそもよくわかってなかった時代のものだから、どっちかというと古典的な等身大ロボット物の方から引っ張ってきてる雰囲気。

や、TNGをdisってるんじゃないんです。
なによりあの番組から受けた影響は普通じゃなかったので。

なんたってあーた、あれですよ、第1話からいきなりとの邂逅からスタートですよ。いま見たらピカードの判断とかムチャクチャだけど、まあいいのそういうのは。
Qの存在というか、設定自体がもう世界を根幹からおかしくしちゃいそうなものなのに、ヤツはただのトラブルメーカーで、もうなんだかわけがわかりません。だって連中万能なんですよ? 文字通り万能。ヴィージャーが来ようと、ロミュランが全艦隊あげて押し寄せようと、ボーグがどんなにいきんで抵抗は無駄だって主張しようと、一切お構いなし。その気になれば、恒星どころか銀河並べ替えていたずら書きができちゃうような連中です。話の根幹をぶち壊すようなやつらなのですよ。
普通なら、そもそもそんなのただのトラブルメーカーとして出そうなんて考えないし、出したら出したで話の縦軸に一切関わってこないとか、ありえます?
でもTNGはその破天荒なスタートにも関わらず、名作と呼ばれるだけの物語を全170何話に渡って繰り広げるわけです。
ラストなんかちょっと泣いちゃうよ。いやマジで。泣いちゃう回は途中何回かあるけどさ。亡霊戦艦エンタープライズCとかな!

そもそもTNG知らなかったら、年代記思いついたかどうかも怪しい。とにかく、細かく作り上げられた設定をいい具合に使って、エピソード間の連携を組み上げていくっていう離れ業を最初にやったのがこのシリーズだと思ってるんで。前半に張ってあった伏線が、後期シリーズでいきなり明らかになったりね。
ね、どっかで見たような展開でしょ? そうです。TNGの構成の巧みさに、思いっきり影響を受けた結果なのですあれは。まあうまくいったかどうかはさておくとして。

とにかく、設定が基盤になって物語をかちっと構成できたTVドラマシリーズは、このTNGが随一だと思ってます。そこらはDS9とかVOYなんかにも受け継がれていますが。

なもんで、自分の中で少々美化がすぎていたようです。改めて10年ぶりくらいに見直したTNGは、TNGの当時見ていたTOSなみに古く感じる映像でした。でもそれが健全ってもんで、30年前の作品が現在のものに見劣りしなかったら、それこそ異常ってもんでしょう。

日下部匡俊

なんつって、スタトレに関しては、この程度のことも書いてもスタトレ警察がくるからな! 記憶違いがあったらごめん!