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東方聖刻教会も、西方工呪会も、どっちも大陸の覇権をかけて争っています。ただし連中のタイムスパンは最低でも1000年単位なので、もうわけがわかりません。
どうして覇権を争っているのかは知りません明らかになっていません。まあとにかく、この2大秘密組織が密かに相争っているおかげで、大陸はイベントに事欠かないことだけは確かです。
前回名前の出たランツ・ワドゥールなんかも、工呪会が東方に野心を持っていることの証明です。東方で他の東方製操兵と対等以上に戦える機体を、西方のノウハウで作っちゃったわけですから。
東方という土地は、霊力に満ちた場所です。生き物の形をとった神霊が普通にその辺歩いてたりします。気合い入れて名人が鎧や刀作ったりすると、それだけでもうマジックアイテムです。西方にはいない巨大生物が山のようにいて、ほとんどが人間に悪意を持っています。そいつらの中には神々の子孫みたいな連中もいて、平気で神通力を使います。西方じゃ無敵の操兵(少なくとも大抵の生き物には負けない)も、こいつら相手だとちょっと困ります。
東方操兵がおかしな作り方しているのも、こういう世界が背景にあるからなんですが、聞いた話やそんなに多くはないサンプルから、東方じゃない場所でいきなりランツみたいな操兵作っちゃう人は、間違いなく天才と呼んでいいと思います。たぶん、あの機体は練法の原理を機械的に再現して、機体に内蔵してるんじゃないかと思われます。東方的な呪術についてはそんなに知らないし、たぶん知ってても使う気がないんじゃないか。西方のやり方にこだわって作っちゃった、みたいな。
じゃあ逆に東方はどうなのかといえば、簡易呪操兵っていう恐ろしいものを量産(!)していたりするので、西方へ攻め込む気満々ではないかと。この簡易呪操兵というのは、要するに安物の機体に練法を使えるようにしたものなんですが(西方にも似たような従兵機があるが、結果的に似ているだけで別物)、使える練法を限定したかわりに、恐ろしく丈夫で格闘も可能というか格闘がメインっていうとんでもないものです。
練法はたいしたことないですが、ゆっくりだけど空は飛べるし、対人攻撃なら十分危険だし、鉄球とか持っていけるんで空から落とされたらたまらんわけです。で、これが数いるので。
救いは、まだ東方の圏内でしかまともに使えないことです。が、当然外に持ち出すことを考えて作られているので……こいつが実用化された暁には、ビグザムより大変なことになるかもしれませんが、南部大戦時点でそれは起きてないのでまあそんなもんなんでしょう。
日下部匡俊