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ブラッド・ミュージックという小説があります。エヴァンゲリオンのオチなんかを連想させる……っていうか逆なんですが(1985年刊行)、微生物に知性持たせたらえらいことになったってお話です。普通の意味では救いがありません。あれでいいんならあるけど。これ以上書くとネタバレになっちゃうので割愛しますが、とにかく精神状態がよくないときに読むと、地の底まで引き込まれて戻ってこられない感じの読後感があります。
いや、この辺は人それぞれですが。

話の流れそのまんまですが、あんまり精神状態のよくないときに読んだので、地の底に引き摺り込まれた感があります。まだ浮上しきっていません。そもそも浮上してるんだろうか。
別にブラッド・ミュージックに限りませんが、この手の精神的にわりとダメージ負いがちな作品って、読むと一生引きずることが多いですね。そんなに回数読んでませんが、なにか挙げろと言われると、これを挙げちゃいそうな気がします。エディングスのベルガリアード(マロリオン)がポジで、これがネガ。で、ポジの方よりネガをお勧めしたい。これでも食らえ! って感じで。

自分としてはクトゥルフは実はそんなに怖くなくて(ホラーっていうより、SF方向の捉え方してます)、ひとつひとつはなんでもないはずなのに、それが全部積み重なったらとんでもないことになってるって話の方が精神的にきます。ブラッド・ミュージックはまさにそのスタイルなので。
あと、キャッチワールドという作品があります。オチの「空気」がブラッド・ミュージックに似てます。こいつも大好きで、要するに自分はこういう雰囲気に惹かれる人間なんでしょう。

なんせ世代的に70〜80年代中盤くらいまでのSFブームの洗礼を真っ先に受けてるので、ファンタジー作品にもこういう向き合い方をしてしまいます。本当は、ファンタジーは曖昧な部分がいまいちと思ってたんですが、かっちり解釈して再出力すると従来のファンタジーとは一味違ってむしろ考証的にも楽しいものになるって、幡池先生やそのほかの周囲の皆さんに気づかせてもらったんですけどね。
これは屁理屈をこねて否定的に曖昧な部分を解釈するのではなくて、その逆に曖昧に見える部分は実際どうなっているのか、理屈が通るまで考えぬくということです。つまり、空想科学ナントカではなくて、『すごい科学で守ります!』なのです。

真面目な話、基本部分で大嘘ついてごまかしてますが、嘘から上の構造はそれなりに本気で考証してるんです。まあここでも何度も書いてますねっていうか、その時の話とこれどう違うんだ?

キャッチワールドはもう古本でしか手に入りませんが、ブラッド・ミュージックは新刊で手に入ります(電書もあるよ!)。いやまあ、正直読む人を選ぶと思いますが、ご興味があったらぜひ。って、普通の読書家の方からすれば、なにスタンダードオススメしてんの? バカなの? とか突っ込まれそうですが。

日下部匡俊

いや、そもそもなんでこんな話を書いたかっていうとですね、配信されてた某アニメを最後まで見てですね、いやもう悔しくて悔しくて、なんでこうなの? って思っちゃいましてね。それでね。あそこはみんな取り込まれて、「ああ、こんなものだとは!」っていやなんでも(個人の感想です)。
そうそう、エターナルチャンピオンから受けてる影響も半端じゃないですね。並行宇宙の概念最初から取り込んでるし。