練法は魔法のようではありますが、術の体系や発動のさせ方は忍術のそれに近いかもしれません。練法師が忍者によく似た存在であるように。
練法師は仮面に自分の意思を向けながら、定式に従って手を使って印を結び(正式には両手で結ぶ必要があるが、略式で片手結印もある。達人になると、簡単な術は意識の中で印を結べる)、呪文を唱えることによって術を使います。集中がぶれると失敗することもあるし、意思が弱いと仮面に意識を乗っ取られたり、術を使うのを拒否されたりします。練法師の仮面も操兵のそれと一緒なので。
これはたぶんに技術的なものなので、資質は関係あるものの、手先が器用で意識の集中がうまい人間の方が上達も早いわけです。もっとも、高みに達するにはそれ以上のなにかが必要になるんですが。それはなんでも一緒か。

ワースブレイド(ゲーム)では術を難度順に階梯別に並べて、さらに8つの属性(門と呼ばれる。陽金火木月風水土、それから門に対する依存度の低い共通の術として門外がある)に分類されますが、物語でもほぼ同じように分類され、使われていると考えていただいていいと思います。
練法師は、必ずいずれかの門に属することになります。門の選択は本人の資質によるところが大きいですが、特に月門はほぼ全員が女性です。ただしどんな場合にも例外はあると思います。
属している門と門外の術がもっとも使いやすく、続いて対門以外の他門、対門となります。対門とは、自分の属性の門に対する門のことで、陽門⇔月門、金門⇔風門、火門⇔水門、木門⇔土門となっています。陽門は光(太陽)を主に扱う門で、月門は時間や闇を扱う門。金門は金属や質量、物理的な力を扱い、風門は大気や気象、電気を扱う門です。火(燃焼、高温)と水(水、低温)はお分かりと思いますが、木門は植物や生命の門で、土門は大地と死の属性の門なので対立します。

ゲームではさまざまな呪文というか術が用意されていますが、作中では無理にそれにこだわってはいません。そもそも1092で出てきた術で、ワースブレイドの術に一致するものはあまりないはずですし、ほとんど同根の剣の聖刻年代記でさえルールにない術が結構出てきます。名前が一緒でも効果が違ったり。
これは意図的なもので、ゲームでもオリジナルの術を禁じてはいませんし、お話ならまず面白いことが重要なので、ゲームの術に無理にこだわる必要はないと思います。ワースブレイドを題材にしたメタな話(ガン○ムBFみたいな)だったら話は別かもしれませんが。

日下部匡俊