聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いです。
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『剣の聖刻年代記』では、巨大な森林地帯が中原と西方を隔てています。巨神の森の別名を持つファインド森林地帯です。
この森、一見すると巨大な亜熱帯〜熱帯雨林地帯に思えますが、実際の植生は無茶苦茶で、南の端に広大な針葉樹林の一帯があったり、かと思えば高地に熱帯雨林ジャングルが広がっていたりします。
もちろんまっとうな植生の場所もありますが。

この森では不思議な力が働くと言われ、場所によっては練法の術がまともに働かないことが確認されています。
特に空間を操る術は、大きく障害を受けます。この森の中で転位の術を使おうとすれば、術が効果を発揮しないのはまだいい方で、仮に術が発動しても、目標とは異なる場所に出現するなどといったことが頻発するようです。
目標と異なる場所というのは、単に別の地点という意味だけではなく、高低の違いも含んでいるので、場合によっては出現地点が山の頂より高い場所だったり、地面の下もあり得るということです。しかも飛行の術も突然おかしくなったりするので、この森の中で瞬間移動を行おうとするのは、致命的な結果を招くことがほとんどです。

あと、森の木々にもなんらかの術がかかっているらしく、簡単には燃えませんし、切り倒すのも大変です。まるでファインドの木々が全部異能生存体にでもなったかのような不幸が、木々を傷つけようとする侵入者に襲いかかるとお考えいただければ。
でもファインドで暮らしている人々もいるわけです。彼らはどうやっているのかといえば、森が許してくれているので、分を超えたことをしなければ普通に生きていけるっていう理屈です。分を超えたっていうのは具体的にどういうことかといえば、森を焼き払おうとするとか、切っちゃいけない木(普通の感受性があればさすがにわかる感じの)を伐採しようとするとか、そういうのです。
遺跡の盗掘目的で入り込んだり、大人数で入って街や国を築いても、森を傷つけなければあんまり大変なことにはなりません。

というわけで、ファインド森林は、非常に長い間荒らされることなく、それこそ何十世紀もの間、大きく変化することなく存在し続けてきました。もちろん練法師のような強欲で実行力を持った連中はまともに活動できませんから、ファインド奥地の遺産は長いこと手付かずの状態でそこにあり続けているわけです。おかげで、ファインドの遺産は、南部の他の地域のとは比較にならないレアさ加減だと考えられていて、実際そうです。

日下部匡俊

なので、ここが丸焼けになるって話がいかにやばいかおわかりでしょう。丸焼けになるんですが。あ、年代記の話ね。
ワースブレイドのファインド森林は、ここまでヤバくは設定してません。