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黄金の軍団。
黒の帝国の究極の目的のため、神の力を宿す可能性を持つ存在(軍神/巨人級操兵や、聖刻器の類。あと一部の魔獣なんかも)を狩って回っていたのが彼らです。
帝国の軍勢の中では完全に独立した存在で、決戦段階まで他の軍団とは一切連携しませんでした。というわけで、その実態を知っている人間は帝国内部でもごく少数です。
まだ気功使いとか密偵のルードレンやセトルなんかはいいんですが、老軍師っぽいけど実は竜の精神を体に宿して、操兵より強い怪物(目から怪光線)ナルエグとか、負王ネグマッツとか、毒人間バシールとか、構成員にやばい連中しかいない状態です。というか、神の器に喧嘩売って回ってる連中なので、まあ普通の人間にこんな役目が務まるわけがないって話です。
当然、こんな連中が最初から帝国に与しているはずもなく、カイザーンがおそらくルードレンとセトルをお供に、調伏して無理やり仲間にして回ったんだと思います(たぶん最初がナルエグ。あと、実際どうやってたかは、『剣の聖刻年代記・赤き矢と紅の風』にちょっと出てます)。

そう考えると、セトルやルードレンもヤバそうですが、詳しいことは考えてません。世話役程度のイメージしかないんですが、ネグマッツが何かおかしなことしようとしても、最低逃げられるだけの力は持っているはずなので、やっぱり普通じゃないんでしょう。ルードレンなんか偽名で、実際はリッシュ・マナーだったって可能性もあり得ます。体格が普通じゃないし。
や、そこらの凄腕を拾ってきただけで、度胸はすごいけど普通の人ってのもアツいですが。

なんにせよ、そいつらまとめて締めてるカイザーンはもうまともな人間じゃないです。おかしな生まれってわけでもないですが。
単純に天才なんだと思います。剣術の腕だけならナーグ(たぶん当時西方最強の剣士)級。経験が若干不足してる(かわりに魔物相手なら東方の達人なみとか)以外、十分に強いでしょう。魔剣持ってるんで、その腕と剣の力でナルエグやネグマッツも恐くないレベル。
でもそれだけじゃなくて、肚の据わり方が普通じゃない。ああそうだ、山田風太郎作品に登場する柳生十兵衛的なポジション。確か当時、そんなイメージで書いてた記憶があります。まあ主人公扱いじゃないですが。あと拙作の短編ではそんなに目立ってない。

そもそも、彼の操兵ギルダル・ドアーテ・ムーンナル自体、乗り手を選ぶ癖の強烈に強い機体で、それに気に入られて普通に乗りこなしてるって時点でこいつおかしいです。それは、ズィエン・マル・ゾーラというやはり強力な操兵に乗っているアントレー・クナグという人物もかなりのものですが。
強い操兵に見込まれた人間ってのは、ろくなもんじゃないってことですね。

なんだその結論。

日下部匡俊