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聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いです。
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えー。東方には武繰が山のようにありますが、どっかで聞いたような苗字のエカシクさんが使うのが〈璃観発極(りかんはっきょく)〉という、大変マイナーな流派のそれです。やっぱりどっかで聞いたような流派ですが、千年後の流派と直接の関係があるかどうかは知りません。苗字も近いし(同じだとは言ってない)、関係ないとは言い切れませんが。
確かに千年もあれば、吾伽式の伽式恒(≒ワースラン@1092)の一武芸者が興した技が、それまで主流だった功麟闘剣を押しのけて、西方にまで伝播しちゃうってのもありえなくはないわけです。でもそうなるってことは、術理がしっかりしててある程度の才能さえあれば誰でも習得可能で、しかも他の技に比べて強い人間を出しやすいっていう感じにまとまってなければいけないはず。

既存の武術なんかを見ていればわかりますが、どんなに無敵の使い手を輩出しても、その技の習得が難しすぎれば、長い間にだいたい失伝しちゃうことになります。じつは天才の興した流派はたいてい短命で、下手をすると痕跡も残らないことがあったりして、残ってるのは入口が広くてたくさんの人間が修めているものだったりするわけです。
実際、『四操兵』に登場した当時の天才武芸者ディエンの〈点空操(フェン・ダーズィ)〉は、ショク・ワンの時代には残っていません。つまりはまあ、そういうことなのでしょう。
技を継承する人間がたくさんいれば、その中から特別に優れた使い手が出てくるものだし、その使い手の技を理論化して他者に伝授する方法を考えつく人間もいるものなので。

天才の技は、確かにそれが出現した直後は無敵かもしれませんが、長い時間をかければ必ず分析され、対策されたり、技そのものをもっと簡単に再現する方法が編み出されて、そのうちに陳腐化していきます。
武術ではないですが、体操競技やフィギュアスケートで、かつては超高難易度とされた技が代が下るにつれて多くの選手が使えるようになっていくように、当初は天才にしかなし得なかった技も、そのうち割とみんな使えるようになったり、もっと高度な技になったりしていくものってことですね。

というわけで、例えば『梗醍果の王』シリーズに登場する武繰〈飃雷刀術〉なんか、じつは習得がそんな難しくなかったりします。町道場で普通に教えてる感じ。ただし、儀象然士や蘭怜みたいな当代最強の使い手もいます。
〈功麟闘剣〉も龍亜人族の使う神秘の武繰と言われつつ、南部の漢辰人のほとんどは基礎くらいできるし、もちろん達人もいます。

や、陸奥○明流とかナントカ神拳とかも別にあってもいけなくはないですし、この武繰は他の流派より絶対に強いってのがあっても一向に構わないんですけど(少なくともワースブレイドのシナリオ上では)、剣の聖刻年代記的には一子相伝的なものは存在しにくいっていう感じってことですね。
いやだって、いくら優れた才能を血統に取り込んだって、その流派の技を完璧に受け継ぐことのできる人間が生まれる幸運が、何代も連鎖するわけないじゃないですか。
それに、秘孔ついて相手を自壊させる技が、なんで特定の流派にしか存在しないのかとか(別に北斗disってるわけじゃないっす。あの世界ではそれが正解)。武芸者がたくさんいれば、絶対誰かが似たような技編み出すと思うんですよね。技が一緒なら、結局能力の高い方が勝つ理屈で。あと人数。

日下部匡俊

陸奥も北斗もそうですが、あの手の流派の真の秘伝は、実は最強の人間を作り出すことってのは、だからある意味では納得がいく話だったりします。