聖刻とはなんなのか、という話は『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをご覧いただければ。

この話、#16#17あたりでも触れてます。焼き直しと言われればそう。
聖刻シリーズに登場する巨大ロボ〈操兵〉ですが、これにはいくつか種類があります。
まずは〈狩猟機〉。操兵の本来の形。頭のある、人間の形を模した操兵です。
次が〈従兵機〉。狩猟機の簡易版。頭をなくし、胸のあたりに仮面がついています。実はこれでも動くのです。ただし、狩猟機に比べれば不器用で、動きも鈍い。構造が単純なのでメンテしやすかったり、値段も安かったりしますが、狩猟機の軽快さを求めてはいけないという機体。
最後が〈呪操兵〉。練法という、平たく言えば聖刻の力を利用した魔法なんですが、それを使う目的で作られた機体です。練法を使うために作られたので、基本とても繊細で格闘には向きません。機体の強度なんかも期待できないという、離れた場所から飛び道具で戦場全体を掌握するとか、そういう類のものです。あと隠密行動とか。
ここまでが枕。

一応、操兵たちはこんな風にカテゴリー分けできるんですが、これはあくまで形状や用途での分類で、実際は時代ごとに微妙に異なっています。
たとえば、1092に登場する呪操兵は、人間より大きな機体であることを利用して、術そのものの効果を増幅する機能を持っています。対して、年代記(ワースブレイド)の呪操兵は、術を使えるというだけで、効果を増幅することはできません。ただし、人間では気力が持たないような強力な術も余裕で使えるので、呪操兵に乗るメリットは十分にあると言えます。
これがBEYONDになりますと、呪操兵はほぼ狩猟機なみの耐久力と攻撃力の強靭な機体を持っています。むしろあの世界、狩猟機が見当たりません(いや、「外」にはあるんじゃないかって話も)。
従兵機も、単なる狩猟機のサブセット扱い(これは1092も年代記も変わらず)なんですが、BEYONDの従兵機はそうではありません。どうもやつら、電装品を制御系に持ってるみたいだし、駆動部も電動を採用(一部かもしれないけど)しているようだし、仮面で動くところは変わらないのかもしれませんが、あとはかなり違っているようです。というか、かなり強いっぽい。PVでみる限り、相当軽快かつ器用に動いてるので。
あと、ワースブレイドや年代記の東方に従兵機が存在しなかったり。かわりに、擬似呪操兵という、低級な機体に無理やり呪操兵の機能を持たせたりっていうものがあったりします。空飛べるんで、こいつらが大量にくるととてもまずい状況になるっていう。実は、西方にも似たような機体が存在しますが、この辺は東方の方が一枚上です。
このほか、年代記でも大昔のエピソードでは操兵が異様に強かったり、大地では操兵は狩猟機にあたるものしか存在しなくて、しかも能力は従兵機なみ(器用さはちょっと上?)という。

そんな感じなので、作品ごとに操兵ごとの描写が違っても、気にしてはいけません。逆に操兵の能力から、その作品の時代背景がわかるようになっているともいえます。

日下部匡俊