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聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いです。
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さて、ではなんでまた、前回のようなわかるようなわからんようなことを書いたかと申しますと、ゲームの話をするからです。何度目だよって突っ込みの声が聞こえてきそうですが、切り口はたくさんあるんですよ? というか、今回はゲームそのものの話とはちょっと違うので。

聖刻シリーズにはワースブレイドというテーブルトークロールプレイングゲーム(以下TRPG)があります。出たのがほぼ30年前(d20版が10年前)ですから、現在形で語るのもなんなのですが、とりあえずマンガ図書館zスタートセットが公開されていますんで、とりあえず、なんとか。
で、TRPGは、やっぱり遊ぶ人間を選ぶゲームだと思っています。ひと言で言えば、「ルールのあるごっこ遊び」なんで。
これ、例えでもなんでもなくて、そのまんまごっこなんですよね。だから、ゲームの中の登場人物に「なりきって」遊ぶとか、ハードル高いに決まってるんです。

ハマる人は本当にハマるので、ワースブレイドの発売以前からTRPGを愛好しているような人は(知り合いのマンガ家さんとかか、いまだにやってるし)、いまでも定期的に、ディープに遊んでいるくらいなんですが、じゃあみんなそれができるかって言われれば、そんなの無理に決まってるわけです。みんなおんなじように遊べるはずがない。
だからこそ、TRPGの後にトレーディングカードゲーム(以下TCG)が来たわけです。TCGなら、変なノリとか強要されたり、恥ずかしいセリフ言わなくても、おなじような雰囲気で、しかも手軽に(後に競技化すると、手軽にとはとても言えなくなっちゃったけど)ゲームを楽しめるわけですから。この時期一番人気があったのは、マジック・ザ・ギャザリングあたりだったはずですが、ファンタジーRPGの雰囲気をカードゲームでぱぱっと遊べたわけで、TRPGのノリそのものを楽しんでいたわけではない人たちがそっちに流れるのはある意味必然だったんではないかと。

たしかにTRPGって、ノリよく遊べればそれはそれで楽しいんですが、じつはそれだけってわけでもないのです。
たとえば初期のダンジョンズ&ドラゴンズ®(以下D&D®)なんか、部屋が4つくらいしかない迷宮(?)に侵入して、宝箱守ってる怪物やっつけて、報酬持って帰るだけっていうセッションがよく行われていて、四畳半ダンジョンとかハック&スラッシュとか揶揄されていたものですが。
でもちょっと待って。これ、どこが悪いのっていうですね。
TRPGの本質をごっこだけに求めちゃうと、先にも書いたとおり、遊べる人間が本当にごく一握りに限られちゃうわけです。ていうか、ちっちゃなダンジョン襲って、悪い怪物やっつけて帰ってくるって、すくなくとも最初の頃の冒険としてはけっしてダメじゃないですよね。それだけでも、経験の浅いプレイヤーには十分面白い体験だし、なにより状況が単純なので、とっちらからない。
ゲームをさらに続けるなら、そこから拡張して異世界ファンタジーの物語世界にハマるもよし、強さだけを求めて、ちょっと広げたダンジョンや荒野でより強い怪物と戦うもよし。入り口が四畳半ダンジョンだから、それ以上ゲームを楽しむのは無理ってことはないはずなんです。

そもそも旧版D&D®って、経験点が持ち帰った財宝の金額だったりしますし(いや、それがレベルアップにつながる理屈がわからないとかケチつけたいんじゃなくて)、ハック&スラッシュ上等な考え方も入ってたと思うんです。もちろんそれだけじゃないですけど。
むしろですね、TRPGの入り口を狭めているものを打破するのには、このやり方悪くないんじゃないかって。
手軽に楽しめて、競技性も存在する(つまり、ごっこ遊びもできるけど、プレイヤー間の勝敗も明示できる)TRPG様式のゲームって、結構悪くないんじゃないか。

てなわけで、聖刻レギオン(仮)の登場とあいなるわけです。

つづく。

日下部匡俊