キリオンの続きはいましばらくお待ちください。いやちょっと頭休めてるところです。徐々に戻してますが。これもその一環。
いろいろあってぼんやりしていたところで、軽くやる気が失せた状態になりまして、どうしたもんかと思ってたら昔出した拙著の感想をちらっと目にしたので、テキスト引っ張り出して読んでみました。
感想そのものは好意的なもので、そうかー、どこらへんにそういう感想持ってもらえたのかなーと思って読み始めたんですが、あれね、10数年前のオレ、すごいね。自画自賛じゃなくて、もう書いたの同一人物なのかって思えるほど記憶と現物が遊離してるんで、非常に客観的な意味で驚きました。
自分だって記憶はかろうじて残ってるんで、当時の自分に嫉妬するまではいきませんでしたが。でもって、書こうと思えば書ける(はず)! って思い込むことにしてことなきを得ました。
当時すでにソノラマの年代記はそれでおしまいって決まっていて、ちょうど梗醍果の王シリーズも終わりってタイミングだったので、当時投入できる要素をあますところなく突っ込んでみたりしたわけです。
ツンデレは流石に手垢がついていたのでやりませんでしたが、恋愛要素を割と全力で打ち込んだのはあれが最初で最後(なんつって、そのこと忘れて黒竜戦争でちょっとその辺入れて、オレにも恋愛要素くらい突っ込めるんだぜと悦に入ってたのは内緒)だったように思います。
あ、女王もあったか。まあいいとして。
じつは、書き出した時は教王誰にするか決めてなかった(!)んですが、編集さんに「どうせ教王ってゼン・イクだろう?」と言われまして、10%くらいそのつもりだったのが一気に吹っ飛んで、必死で考えて思いついたのが2巻の半ばあたりのはず(ええっ!)。
最強の敵はああいうのだってのは昔からよくあるパターンなので、別によく思いついたなとは思いませんが。
でも締め切りが動かないので、最終巻の内容を100ページ分くらい端折ったのがいまでも悔やまれます(あの会社は、量的にはなんとかしてもらえるところだった。いまとなってはあり得ない話だけど)。オレが読んでも、当時の自分が何考えてたかわからなくなった箇所がいくつか。必死で考えて、ああ、これ書かずに行間を読めをやったのか、乱暴だなあとか。
悪いことばかりじゃなくて、もうちょっと工夫すれば逆によかった部分がたくさんあったのも確かで、いつかそれを踏まえて改稿したいなあとも思っています。
真面目な話、梗醍果の王シリーズはちゃんとデイル編と対をなしていたのだなあと、今更ながらに。
日下部匡俊
あいつがコシワクに幻術かけたことにマナンが嫉妬したところとか、自分で読んでて微笑ましくて笑っちまいました。あれ、自分で書いた実感が残ってたら、書いたことそのものを悔やんで七転八倒してたと思う。でも他人事として読むと、それなりに。
そうそう、あいつの出番はまだちょいと先ですが、そろそろどこから出すか考えないとなー。
聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』、『聖刻日記 #3』、『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いです。
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コメント
先生、はじめまして今晩は。
私はブロン・テクスターと申します。
先生の作品「剣の聖刻年代記」は刊行当初1996年?からのファンであります。(正しくは、操兵の書に載っていたある続・操兵乗りの記述からのですが・・)
小説が蒼天の聖王で(一応の)完結をみて以来、何とも物足りない日々の十数年でしたが(いや、千葉先生の群龍伝がありましたが!)、このサイトを知って歓喜しました。本当に最近なので、全てを読み終えるまで投稿を控えておりました。が、この十数年のモヤモヤが晴れた気分となりました!
あのオジャ君が交渉人に戻れた?事!(結婚して子供まで・・彼女ですよね?)ショクワン陛下は相変わらず大変そうですが、お元気そうな事!マスガンが酒場の下働き(笑)で生き生きとしている事!
等々本当に嬉しかったです。生きていて良かった!
聖刻の大地・聖刻レギオン共々先生の尚一層のご執筆を応援いたします。
質問があります。マスガンが所有している「仮面」は練法師エクスパンションで「緋の三者」に於ける憮嵐の前任の最高導師だった「彼女」から奪ったあの「仮面」ですか?憮嵐は(超?)高位練法師ですが当然「呪操兵」を所有しているのでしょうか?
カレビアは貧しいとは思いませんが、小国に過ぎないかの国が、フォン・グリードルを繰り出して来たので驚きました。あの国の国力で何機ほど所有出来るのでしょうか?(3~4機も有れば御の字?)
ご迷惑でなければ、お答え頂きたく思います。
では、これからもご活躍をお祈りします。
とりあえず生きてください。生きてるだけでぼろ儲けってやつですよ! 最近は特にそれを強く感じます。
さておき。
マスガンの仮面はあれのまんまです。撫嵐より上位の練法師の仮面なので相当強いですが、シェラインの仮面の方が格上です。というか、術者として彼女は当代の西方最強じゃないかな。あ、別格がいたか。
撫嵐は組織の崩壊のせいで、呪操兵をどこかで失っていると思います。でなきゃ、使う場面があったんではないでしょうか。
カレビアはなんだかんだで貧乏ですよ。デンも見てくれよりずっと貧しいし。本当にお金が有り余ってるのはシャルクとダングス、あとはカグラから収益を得ている新興国がこれからお金持ちになっていく感じです。
で、フォン・グリードルは特別にサグドル工房のやつを回してもらった機体で、他にも見てくれをいじったマルツが何機かありますが、それだけです。騎士団としても貧弱なんです。残りはほとんどガレ・メネアスの従兵機部隊だけだし。1機しかないアズ・キュードなんか虎の子扱い(気分的に。実際はマルツの方がはるかに高価)。
練法師だけど女の子なマナン、門主になるほどの実力を持ちながらも情のあるル・ナックは好きなキャラでしたね。
小さな組織は統制を強化して結束を強くしないともたないのでしょうが、聖刻教会ほどの組織に余裕がなくてどうするって考えまして。1092では非情な忍者の組織ってイメージで描かれていた(というか、それはそれで大好物)んですが、意図して外してみました。一緒じゃつまんないかなーって。
本当の本当に教会の利益が損なわれるような状況では、1092の連中みたいに豹変するんではないかと思います。撫嵐なんかも、お義理でついてきたけど、基本他人事のお手伝いレベルなのであのくらい緩いんですが、自分たちの組織の存亡に関わると、デイル編の感じになるんですね。でもって、自分を偽れない人間が最後には組織を抜けるのです。たぶん。