今日は無駄話。

ここをご存知で、狙って来られている方(つまり現状はほぼ全員)にはいまさら説明の必要もないことですが、今後新規の方が遡って読みに来られる可能性も否定できないので、一応説明入れておきます。

聖刻シリーズには、〈操兵〉という魔術的な力で動くロボットが出てきます。ただし、ロボットなんてハイカラな代物じゃなくて、どっちかっていえば一応機械的な構造を持った巨大な鉄人形を魔力で動かしてるって感じのブツです。
背の高さはだいたい8メートル。目の前に立たれるとでっかいですが(その昔、身長4メートルのATを作った奇特な方——アレですよ、クラタス作った人って言えばわかるかな?——がいて、実物を見に行ったことがありますが、これがものすごい圧迫感。その倍ですからね)、構造物としては全然小さいです。胸に人間が乗り込む操手漕ってのがありますが、全体の大きさから考えるとおっそろしく狭いし、肩や腹部は操手漕に圧迫されてほとんどなにも入りません。
まあ魔術で動いてるからいいんですが。
いいんですが、こいつ、動力(顔にあたる部分に文字通りの〈仮面〉というアイテムをあてがうことでパワーオン)入ってない時はただの鉄塊なんで、構造的に無理がかかるところは一発でイカレてしまいます。立ってられないというか。そんなこんなで、一応物理的な強度も担保された作りになっている必要があるわけです。
なもんで、人間の形に近い〈狩猟機〉(ヒーローメカと同義と思っていただければ)ほど作るのは大変です。カッコいい機体ほどほっそいプロポーションしてるし。太めに見えるのも、まわりの甲胄が幅を取ってるだけで、中身の構造体はそれほどでもありません。骨材が太い細いはあるけど。

その点いくと、〈従兵機〉と呼ばれる安いメカは安心安全な作りになってます。こいつ頭がなくて、かわりに胸に仮面をつけてるんですが、形に制約が少ないおかげで操手漕は広めに作れますし、構造的にも強度を高められますから。その究極が、背部になんにもない〈開放型〉って呼ばれる機体です。
外に向かってむき出しなんで、飛び道具とかで乗り手(〈操手〉といいます)狙い撃ちされたり、転倒時に放り出される危険といつも隣り合わせですが、視認性のよさと、操手漕の内壁をそのまま強化して構造を強めているので物理的にとても頑丈ということもあいまって、結構数が作られた機体です。こんな弱点しかないような機体、普通作ろうと考えないはずなんですが、それが実用化されていたってことはなにか理由があったってことです。
比較的たくさん作られたので、たまに野盗とかが持ってたりして、その機体の背中に何人もハコ乗りして、矢とか石飛礫とかばらまいたり、長得物抱えて振り回したりして襲ってきたりしたっていう。相手が操兵なら自殺行為ですが、普通の対人戦なら結構有効な戦術ですね。
この開放型の代表的機種がガレ・メネアスといいます。こいつの登場するTRPGワースブレイド(剣の聖刻年代記)でも雑魚中の雑魚。ただしザク的な意味で。

あー、誤解のないように付け加えておきますが、当然従兵機は狩猟機より弱いです。物理的にいくら強度を上げても、魔術で動いてるんで魔術のききのいい方が強いわけです。カッコいいのは正義なんですよ!
まあ、だからこそボールでMSに勝つとか、そういう逆張りのカタルシスとかもありだと思うんですが。従兵機で圧倒的に強い相手をやっつけるのって悪くない感じですしね。

さて、聖刻レギオンは、こうした操兵たちを操ってくんずほぐれつするゲームです。なんか別のものを想像しちゃいそうですが、操兵の操縦なんかの要素をとっぱらって、俯瞰からその戦いぶりを見下ろすタイプのものだと思っていただければ無問題。
要するに、見せ方は違いますが将棋やチェスに近いかもしれません。
もちろん操兵個々の能力や状態を把握していなければならないって意味では、将棋より複雑そうに思えますが、それをそうしないようにしてあるのがミソ。
そうです、じつは、試遊会からさらにゲームはバージョンが上がっておりまして。
ゲームデザインも、リリース前の最終調整の段階に差し掛かっております。フィギュアもかなり変更が入る可能性が(造形面以外で)。
そんなこんなで、作業は絶賛進行中だったりするわけです。

なにはともあれ、乞うご期待。

日下部匡俊