聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いです。
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リッシュ・マナーとたぶん同じ出自だと考えられているのが、ケブレス山岳民です。臆面もなく「ル・ケブレズ」とか読みをつけてますが(本当はエル…らしいが、むしろ違ってた方がいいのでこのまんま)。塔の最上階にいる無敵のドラゴンではないです。たぶん。このシナリオで初めて真面目にninjaを極めました。混合パーティーだったけど。どうでもいい。

非常に洗練された文化と生活様式を持つリッシュの人々に対して、ケブレズ(山岳民までつけると、呼び名としては冗長なので、ケブレス山岳民=ケブレズという表記にしてたんですが、編集さんに「誤植だと思われるから直せないか」と言われたのはいい思い出。思えば、変なこだわりばっかりあったなー当時)は粗野で荒くれた人々です。クスリ漬けだし。全身に魔除け&呪術の刺青をしていて、実は練法や招霊衡法があんまり効きません(ワースブレイドのルール上では差をつけてません)。気功法はなんとかなるかもしれませんが、それでもなにもないよりはましな耐久力を持ちます。
彼らは山野に棲む生物を操る術を持っています。なんと古くは聖刻の力を食うスライム(身も蓋もない)透妖虫を操って、モニイダスのガーヴスを再起不能寸前まで追い込んだこともあります。ケブレズが生物を操る手段は、大抵がクスリの効果で自我を失わせ、それを独自の呪術じみた催眠術っぽい技を使うというものですが、おそらく原始的な反射しかないような透妖虫をどうやって意のままにしたのかはよくわかりません。意のままになってなかったのかもしれないけど。

で、それだけならまあそんなに恐くないはずのケブレズですが、彼らには透妖虫以外にもありえない生物を操る技があります。
竜族を従わせる術、通称〈操竜の法〉です。デイル編の5巻と10巻に出てますが。1巻にも出てたっけ。1巻のは亜竜ですが。
竜は、不死かつ魔力に耐性のある存在です。下位存在の亜竜ですら扱いに困るのに、これが知性と高い能力を備えた真竜となると、そもそも操るために捕らえること自体が恐ろしく困難なはずです。その上、なにやってるか知らないけど、とにかくいうことを聞かせる処置を行って、まるで騎獣のように乗りこなして見せるってのはもう普通に考えても信じられない所業なのですが、衆人環視の中でやってるんですよねえ……キド・ロダヌー。

やってることは野蛮人のそれですが、ケブレズってもともとはおそらく力の衰えた古代人で、なんらかの超常的な能力をいまだに持っているんだろうなあと思ったりしますが、どうなんでしょうね。
なんてことを言いつつ、彼らは南部大戦にもちゃんと役割を持って登場するんですが。ガッシュの帝国(ケブレズの勢力圏の南に版図を持つ海洋国家)とセットで。でもデイル編ほど重い役割ではないけど。ゴーランが大事な役目を果たすので、その分誰かが引かないと。ガッシュはとっても大事。

日下部匡俊