TRPGの基本ルールは、松本氏に全面的にお願いしてスタートしたワースブレイドですが、一応他のRPGもやってたので、その思い切ったシステム構成には度肝を抜かれたのは確かです。
ああ、TRPGワースブレイドに関する昔話です。
ワースブレイドには、たいていのTRPGに存在する〈筋力〉の能力値がありません。
人間に筋力が存在しないのは、操兵戦を基本に考えていたためだったのですが(操兵の筋力=POW値に比べると、人間の筋力は無視できる)、とはいえ、操兵に乗りっぱなしのゲームではないので、人間パートが重要になってくるのは自明で。
ワースブレイドは、何かを試みることに対して難易度を設定し、それを試す行為に応じた修正値を加えたサイの目で判定する(難易度≦修正値+出目なら成功)というのが基本なんですが。で、「力持ちほど成功しやすい」っていう試みに影響を与えるのが、筋力という能力値なわけです。
逆を言えば、ワースブレイドではキャラクターから「力持ち」という要素が省かれているわけですね。
じゃあ、それでゲームになるのかっていうと、なぜかなったんですねこれが。少なくともテストプレイに関しては。
筋力を使う判定は、基本的に瞬発力がどのくらい出たかという話だと思うんですが、これをCON値(体力)に置き換えることになりました。もちろん体力と筋力は同じものではないですが、CON値の高い人間は力もあるっていう考え方ですね。
こういう大胆な思い切りができたのは、やはり操兵のインパクトが大きいからで、鉄の巨人のワンパンで人間なんかぺしゃんこってわかっちゃうと、あんまり力自慢する人間が出てこなくなったというか。
あとまあ、LUC値の存在もでかいんですけど。ここ一番でヒロイックなことができるので、力の有無はあんまり関係なくなっちゃったというか。これがなにかに気づくとか、普段の手先の器用さとか、一発勝負じゃどうしようもないものはそうはいかないんで。いやまあ、こんなもんこじつけで、筋力必要な場面だってありますけどね。
ただまあ、操兵でシステムが面倒になるのはわかってたので、できるだけ余分なパラメータを省こうっていう発想があったのが一番の理由で。
日下部匡俊