聖刻シリーズについてご存知ない方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをぜひ一度ご覧ください。
聖刻-BEYOND- PV絶賛公開中!

聖刻シリーズがちょっと止まってた頃、『操兵の作りかた(仮)』的なタイトルで一本小説書こうと思ってました。マニアックすぎて却下されましたが。
あくまでワースブレイド(年代記)でのお話なので、全シリーズで通用する話じゃないんですが、序盤のアイデアは『黒竜戦争』の最初の方にちょっと使ってます。いや学校とか。

どんなお話かってーと、小作農の出で家業をつごうにも食い扶持足りないんで追い出された主人公が、とりあえず都会にでて操兵鍛冶の親方に拾われ、そこで操兵を作る仕事を覚えていくっていう。特別に大事件が起きたりしないし、もう操兵鍛冶の日常が延々描写されていくだけっていう、オレにはとても楽しい話なんですが、やっぱりこれじゃあ売れないかなあ。
まあ、それじゃダメってんなら、最後の方で作ってた操兵が超機密兵器な代物で、それで情報を欲しがった連中に狙われたり狙われなかったりというのも入れようとか。まあ入れないとオレ自身がなんかダメかなって思ってたような気がしますが。
まあ超機密兵器ってアレですけども。強い操兵をこないだの話で否定しておきながら、でもやっぱり強い操兵ってお話の華よねって。

もともと、普通に職人さんの手仕事を見ているのが大好きで、いまはぶらりなんとかっていう番組やってる枠で南部鉄瓶作ってる人とか、和紙の職人さんとか毎週紹介してる番組がありましてね、そういうのを見てはうっとりしていたものなんですが、それをこう小説でできんもんかって考えまして。
南部鉄瓶なんか、砂型を作ってそこに溶けた鉄注いで砂型崩して取り出すとか、全部工程が見られてもう眼福でした。こう書けば単純に思えますけど、実際にはぼーっと見てたら気づかないかもしれないノウハウがいっぱいあって、そこがこっちのツボを押すんですよ。

ウチの飯担当は自分なんですが、こう飯作るのも本当に細かいノウハウがありましてね。これ読んでる人の中にもプロだったりプロはだしの方もいらっしゃると思うんで、そういう人にはなに偉そうに言ってんのと突っ込まれそうではあるんですが、毎日やってると、別にそんなたいした腕じゃなくても細かい発見がありまして。そういうのの積み重ねで、前よりましな飯が作れるようになっていくもので。
そんな感じで日々を過ごしていると、職人の持ってる経験の結果ってのがより見えるようになってきましてね。見えるのとできるのは全然違うし、全部見えてるとも言ってないけど。
そんなノリで一本書いて見たかったんですよ。どうですかね。
まあ、古来の製鉄や鍛冶の技を継承してる人たちとかにかなりがっちり取材してかないと、まともなものは書けそうにないような気がします。やっぱりペンディングしておいてよかったのかもしれぬ。やるならちゃんとやらないとね。

日下部匡俊