操兵の話、その3。
というわけで、操兵ってのは魔法の力で動くロボットというのはご理解いただけたと思います。電子回路とか一切入ってませんし、正直この構造で歩いたり走ったり殴ったりできるんなら、こないだまで展示されてたガン○ムだって実戦投入できるぜとか言われそうですが、動くんだからしょうがありません。そこは魔法なんで無理やりご納得いただくとして、さて、操兵には前回説明しなかったのがもう1種類います。
その名を秘操兵。聖刻世界の根幹を揺るがす究極の操兵です。その中でも特に『八の聖刻』と呼ばれる8体の秘操兵(聖刻1092に登場)は、アハーン大陸にあって不滅にして無敵の存在ですし、そのほかの作品にもちょっとだけ登場する秘操兵に分類される操兵たちは、どれも度外れた規格外の力を持っています。ていうか、規格とかそういうのどうでもよくなるくらい馬鹿らしい力の持ち主たちです。
操兵って、なにせガワは鍛冶屋が作ってる代物なんで、ロボットっていってもわりとあっても不思議はないようなイメージなんですが、秘操兵は神様というか、災害というか、最低でも地域規模でなにかやらかしちゃう存在なので、お話の中でもラスボス的、あるいは主人公サイドなら「実はこんなぼろっちい外見だが、じつは……」というまさに中二病全開の代物なのですね。
え、みんな中二病展開好きでしょ? オレは大好物ですよ、もちろん。でなきゃこんな仕事してるもんですかっていう。
そもそも、こっちに舵を切ったのも、中二の時に見たザンボットが原因だからなあ。
特に初期の聖刻シリーズでは、世界の秘密としてよく持ち出された設定ではあります。さすがに何度もできるネタではないので、現在ではお約束の基本設定になっていますが。
『聖刻群龍伝』なんかは身近な方の操兵が大量に出てきて活躍する話ですが、やはりこの話の背景にも八の聖刻がいるので、それを念頭に置いて読んでいくとまた違った味わいが出てくるんじゃないかと思います(聖刻1092と群龍は、ちょっと時間差のある同一世界線上の話なので)。そんなのなくても面白いですけど。
日下部匡俊