今週は打ち合わせがありました。いろいろ動きがあって、近いうちに発表できるかなってものもあれば、まだここで触れるには時期尚早という案件もありまして、なかなか難しいところです。
ゲームについては、もうちょっとしたらきっとテストプレイの話とか書けるんじゃないかと思ってますが。

さて。
操兵って案外壊れやすいって話をしました。そんな感じなので、こいつらで戦争やろうなんて話になったら、それはそれはもう大変なわけです。
だいたい、現実に戦争やるとなったら、まず戦闘要員以外に兵站のためにだいたい同数以上の兵員が必要になるわけですが、それに加えて従軍鍛冶師が徒弟なんかも含めて一山必要になります。メンテや補修用の機材、資材も必要なので、それを運搬しなければなりません。特に資材は相当な量になります。それでも運べる量なんてしれてるので、すぐ足りなくなって現地調達とか、敵の操兵鹵獲して流用するとか、そんな事態に陥るわけです。
操兵が主戦力のメリットは操兵が直接荷物を運べることですが(さすがに荷駄隊の規模を縮小できるのは大きい)、逆を言うとそのくらいしかありません。なんせ戦場にたどり着くまでに何体も壊れることになるし、特に従兵機は一度壊れると絶対に勝手には直ってくれないので、進軍中も鍛冶師たちは大車輪で働かねばなりません。

他にも兵站関係で山のように問題が出ると思われますが、これは別に操兵じゃなくても起こりうるので省略します。

デイル編のラストで、北部連合軍と黒の帝国が激突するのですが、この戦場になった場所が帝国からも北部平原の中心地からもえらく遠いので、両方とも進軍には大変な苦労があったと思われます。特に北部連合。帝国はそんなことを10年弱やってきたんで、もう慣れっこでした、たぶん。苦労をしていないとは言ってない。
しかも年代記の操兵鍛冶は、立場的に列強の首脳でさえ文句を言えないので、従軍鍛冶師たちの気分一つで進軍が大幅に遅れる可能性もあったわけです。あの場所で帝国軍を迎え撃てなかった場合、連合軍を回避して北部の中心部に侵入しちゃうと思われるので、あの時、あの場所に布陣できなかったとしたら、致命的な状況に陥る危険もありました。
さすがに鍛冶師たちも空気を読んで、協力的だったようですが。加えて、連合軍には策士がいましたし(マナリアードは、帝都攻略戦からこの時のためにタネを蒔き続けていた)。

この戦いに、少なくとも形式上は勝利した連合軍ですが、これ以降数年間は戦争するもへったくれもない状態に陥りました。
一方、帝国の受けたダメージはそれ以上でしたが、秘匿戦力をそれなりに温存してあった(帝都防衛用のムーン・ドアーテ以外で)ため、この戦いの直後でも敵対勢力の侵攻を阻止する力は残されていました。
結局両者はにらみ合いのまま10年以上が経過し、南部地方で大きな動乱が起きるにいたって、両者の間に条約が結ばれ、以降帝国と北部平原との間に明確な国境線が確定することになりました。もちろんこれは暫定的なもので、連合国側は南の事態が収束したらすぐに、南部に密かに投入して試験運用している新型操兵で帝国を攻め滅ぼす算段でした。
そうはいかないんですが。諸般の事情で。

日下部匡俊

ボードゲームの試遊では、ルールに影響のない範囲で操手のキャラとか指定してプレイしてもらうつもりですが、こういうシチュエーションとか、それに合わせた終了条件(特定の操兵を倒すとか、地点を占拠するとか?)つけて遊んでもらってもいいかなあと思います。まあやるかどうかはまだ未定ですが。せっかく出来上がったゲームを変質させちゃうようならダメですからねえ。