聖刻シリーズが初めての方は、まず最初に『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをご覧いただけると幸いです。
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ちょっとだけ、続き。
従兵機についてちょっと足りなかったので。
ええと、#218あたりで「輸送用従兵機」とかなんとか書きました。もちろんこれはそういう専用機種をゼロから作ったのではなく、安価な従兵機を発注して、専用装備にして転用したものです。そこまで割り切っちゃうには操兵はなんだかんだで貴重なのです。ただし、こうやって作られた機体は輸送専用に使われました(改装すれば前線に出せるという状態)。
こうした用途に使われた操兵で代表的なものにトライ・キシュアルがあります。とにかく数を作ることを目的とした機体でしたが、予想以上に能力が高く(あくまで予想したよりは、ですが)、輸送用に換装されたものでも防御面では十分な機能を発揮しました。
列強が輸送部隊の操兵化に成功すると、周辺の国々もそれに倣いましたが、新規に製作された従兵機を大量に購入することは不可能だったため、ほとんどは古い従兵機(多くはガレ・メネアス)を専用に改装したものが使われました。すでに仮面の劣化が進んだ機体が大半だった上に、そもそも荷役を想定した作りではなかったため、新型従兵機の輸送部隊とは比較にならないものでした。
それでも、運用次第でそうした寄せ集めでも役に立つという実例がいくつも見られ、こうした荷役部隊を率いた指揮官の中から、優れた人材が何人も出ているようです。

あと、〈呪操兵〉について。
西方において、魔道の技〈練法〉の使い手である〈練法師〉はイレギュラーな存在です。さらに彼らの操兵である呪操兵にいたっては、レア中のレアと言えます。当然、国家間の戦争において、こうした機体がなにがしかの影響をあたえたという記録は古今例がありません。
ただし、疑似呪操兵と呼ばれる練法を使うために作られた従兵機が、9世紀に登場しています。これは表向き実験機で、国家に譲渡されたという例はほとんどありませんが、黒の帝国がこの機体を少数入手し、破壊工作や諜報活動に使用していた(当然乗り手は練法の使い手だった)という報告がなされています。
この疑似呪操兵の特徴は、練法を使うための仮面を別に持っていることです。この仮面は使い捨てで、操兵そのものの能力にはなんの影響も与えませんが、従兵機レベルの機体で練法を使うことができるため、黒の帝国以外の勢力もごく少数とはいいながら保有していたようです。

というわけで補足でした。
あ、練法、練法師についてはここをご参照ください。

日下部匡俊

えっと、関係ないですが、Twitterでちょっと気にしてる方がいらっしゃったので。
TRPG用に用意されてる呪操兵が門派を問わないのは、プレイヤーキャラクターの練法師が何門か未確定だからです。そりゃあ苦労して見つけた/手に入れた呪操兵が、乗れない門の操兵じゃ悲しいじゃないですか。かといって、まるであつらえたように、発見した練法師の門だったってのも、ねえ。
まあそのかわり、特定の門しか扱えない呪操兵より弱いですし、いろいろ犠牲にしている部分があるって設定です。
ちなみに、擬似呪操兵も門派問わないことになってます。