聖刻シリーズについては、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをご一読ください。
あと、聖刻-BEYOND- PV絶賛公開中!

補足の補足。
今日はこれだけで終わりじゃないから安心してね!
ええと、獣機時代の仮面は、9世紀のそれよりもはるかに強力です。たぶん、古操兵として発見された強操兵級(さすがにまったく同格とは言いませんが)。そりゃいうこともききませんな。でもって現代まで生きてるのもそういうわけです。近代の操兵は1世紀もたないですから。
で、時代が下るにしたがって、仮面は力を失っていきますが、これは素材となる聖刻石の量が減っていること以上に、工呪会が仮面の力を意図的に制限していたということもあります。力を落とした仮面でも操兵を駆動できれば、より多数の仮面を作ることができて、かつそれだけ操兵を作れるからです。で、引き換えに力と寿命を失ったと。
9世紀でも強い一品モノがたまにありますが、これはベテラン鍛冶師の手遊びのようなもので、仮面も相応に強いものが使われています。だから、やっぱり強い操兵は仮面も強力なのです(本当に強力な仮面は機体なんかどうでもいい感じで動けるけど、それは秘操兵とかそういう連中だけの話。なので、普通に強い仮面には、相応の機体が必要。雑な機体はプライド的に嫌がって動かさないから)。時代関係なく。そういうのにまともに対抗しようとしたズィーダル・ハークス(年代記のデイル編のヒーローメカですが、操兵の格としては並の上)のような例はさらに数少なく、結局乗り手次第ではあるんですが、まあ基本的にはかなわないと考えて大丈夫です。
そこらへんはワースブレイドのルール通りで。

さて、では今日の本題。
ってもうなんか1回分近く書いてるけど。まあちゃんとやります。

なんだかんだでワースブレイドですが。
#227で書きましたが、神に仕える人間は聖刻に関わることができません。これは戒律の縛りもありますが、そもそもなぜそうした戒律ができたかといえば、僧侶の使う力と聖刻は非常に相性が悪いからです。
僧侶は、大別して〈招霊〉と〈気功〉の術を使うことができますが、特に招霊の術は聖刻の力と反発しあう性質があります。あと、どうも神さまが聖刻を嫌っているようで、聖刻に深く関わると、気功も含めて術を身につけるのが非常に難しくなります(高位の術は事実上習得不可能)。
西方の最大宗派はペガーナといいますが、こいつら、厄介なことに何度も内紛を起こしてます。現状、招霊系の神聖ペガーナは北部、気功系の聖拝ペガーナは南部を勢力圏としています(例外あり)が、これは6世紀中盤から7世紀前半まで70年ほど続いた聖拝戦争の結果です。西方北部を二分し、多くの国家を滅亡に追いやった悪夢のような戦いでしたが、これ、もう両宗派の単なるマウントの取り合いが発端だったりするので。
巻き込まれた人たちがいい迷惑ですが、これ以降ペガーナの権威は以前とは比較にならないほど地に堕ち、かわって台頭してきたのがリアン、バリアン、ソーダリ、そしてダンバキノの4大国です。まあこのうちリアンとバリアンは神聖ペガーナの支配する宗教国なんですが、周辺諸国を従えているのは宗教的権威ではなく軍事力です(権威がないとは言わないが)。
ちなみにソーダりは商売の国(商品には情報も含まれる)で、ダンバキノはバキバキの工業国です。理詰めではダンバキノが最強のはずですが、案外国力最低のはずのソーダりが粘り強かったりして。リアン、バリアンは完全な農業国ですが、食い物握ってる国はやっぱり強いです。
まあ、それでもなんだかんだでみんな神さまを崇めていますし(だって、神さま本当にいるし)、それに仕える僧侶たちに敬意は払ってるんですけども。でも人々は実利主義に従うようになっているので、いくらペガーナの僧侶たちが偉そうなこと言っても、人々が納得しなければ言うことを聞かない方向です。従うふりして背中向けてるっていう。

それ以降は、世間の争い事はもっと世俗的な理屈で起きるようになっていきます。権力争いとか、領土の収奪とかそういうの。昔もそういうのがなかったわけではないんですが、皮肉にもそれを宗教が抑え込んでいたのでした。

日下部匡俊