聖刻シリーズってなんなのかという話は#3を。

8回目であります。聖刻的には縁起のいい数字。というわけで、今回は練法の話を。
聖刻シリーズを根幹を作ったのは幡池先生や千葉先生たちでありまして、わたしめは狩猟機1092終了直後に加わったものですから、厳密に言えば当初の企画意図を知ってるわけではないのですが。
とりあえず関わった年数が年数なんで、知ってるって言い張っても怒られないでしょう、たぶん。

身も蓋もない言い方をすれば、練法というのはオリエンタルテイストを加えた魔術の一種です。ファンタジーなので。ただ、最初からそうだったように、西洋的な匂いの強い魔術と違って、練法は忍術とかそういうのに近いテイストに設定されています。印を結ぶとかモロですよね。
もちろん、ただ東洋風の雰囲気を持たせたわけではなく、術の力の源に使われる『仮面』の存在や、異様に縛りの強い組織、魔法使いというよりマッドサイエンティストや忍者のそれに近い練法師たちの設定など、他の作品に登場する魔法の類とは一味違う要素が持ち込まれています。
聖刻シリーズ全体に通底する独特の雰囲気は、こういう「ちょっとした」、しかし独特のアイデアによって生み出されているのだと思っています。あと、TRPGのおかげで、普通ならそこまでは踏み込まないところまで細かく設定を起こすことになったのも大きいかもしれません。

新規に聖刻ベースの物語を起こすとき、そこに練法を導入しようとすると、いままでの作品でどう使われてきたか把握していることは大切ですが、逆を言えば練法の持つ雰囲気さえ押さえていれば、術の体系や、そもそも使われ方自体がまったく違ってもそれはそれでありなんじゃないかと思います。
もし自分が新しくなにかやることになったら、シリーズの新規性のためにも練法を再構築すると思いますもん。いや、もちろんスタイルを無理に崩せって言ってるわけではないですが。その辺は、作品に対する考え方次第でしょうかね。
TRPGに登場する術のリストなんかは、マンガ図書館zのワースブレイド・スタートセットのプレイヤーガイドにちょこっと載ってます。参考にされたい方はどうぞ。

日下部匡俊