聖刻シリーズはどういうものかという話は#3をごらんください。
聖刻の大地を企画するにあたって、わりと悩んだのはこの世界がどこと地続きで、いつ頃の話にするかということでした。
全体的に話の規模をスケールダウンしたのは、この企画のもとになった狩猟機1092に合わせたからです。や、別に聖刻の秘密を探ったり、神さまが積極的に絡んでくる話に飽きたわけではなく、同じようなものを扱ったら、1092や年代記と似たようなものになってしまうからです。
いまは人間レベルの陰謀とか戦争で話を進めるのがトレンド! という意味ではなく、設定的なバリエーションを提示したいということもありました。ああ、こういうのもありなのか、という。そういう設定で面白いものが作れれば、大地のやり方だって面白くなるんだということを示せるわけで。これが一番大変ではあるんですが。
例えば、ヤカ・カグラの宿場町なんかは、国家の縛りが存在しないので完全な無法地帯も存在したりして、かなり刺激的な場所になってます。リアラ・ベカラグなんか本気でやばい連中なので、こいつらと丁々発止やるだけでもかなり刺激的な話ができそうです。
ヤカ・カグラの中立を保障している調停会議っていまだに存続してて、しかも国家に縛られない独立した権力(当然軍事力も)を持ってるんですけど、こいつらがまたすごく厄介で、いい人もいるけどロクでもないのがいるとかね。
世界を揺るがす冒険もいいですが、こういう話も悪くないかなって。
『聖刻の猟手』は、背景に西の国々の陰謀を据えていますが、基本は宿場町での切った張った、です。第1話というか、パイロット版で隠された水源見つけちゃったのも、宿場町を牛耳る水源組合が絡みやすくするためです。背後には一応謎というか仕掛けはありますが、それは舞台装置みたいなもので、基本はキャラがどう動くかが大事かなとか。
なんてことを、猟手の続きを考えながらざっくりと。
日下部匡俊
例によって例のごとく、ここの内容が完璧に聖刻文庫に反映されるとは限りません。逆に正式に記事になったら、「あー、ここ変えてやんの」とか比べてほくそ笑むのも一興かも。