聖刻シリーズとは? という話は→『聖刻シリーズとは』、『聖刻日記 #3』
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最近ちょっとテンションが落ち気味なので、『剣の聖刻年代記』関係について書きます。
ワースブレイドがひと段落して、なにをするかという話になった時、ワースブレイドでやり残したことや、自分ならどういうシナリオを組むかというサンプルを示したいこともあって、小説を書かせてもらうことになりました。
実はその前に何年かかけて某書房でSF作品も書いていたのですが、こっちはまた別の話。
本当は、現在絶賛出る出る詐欺中の『剣の物語』を書きたかったんですが、こいつはいろんな意味で当時の技量では書ききれるかどうか怪しかったのもあって、TRPG寄りのショートストーリーで出してたデイルくんとその一行の話を選んだわけです。
果たしてこれが最善の選択だったかどうかはいまだにわかりませんが、この作品のおかげで現在までこの仕事をやれてるんではないかって感はあります。
だから、TRPGに逆に転用できるように書いてたってのは嘘ではないんです。少なくとも南部編までは間違いなく。そこから先は、全10巻っていう約束もあり(延ばそうと思えば延ばせた気もするが)、ちょっと駆け足&聖者の仮面編が加わったせいでその感覚は薄くなってしまいましたが。聖者の仮面なんかもろにTRPGリンクの話なのにね。
オチは最初からあの通りでした。ここで一度書いた記憶がありますが。違うかな。冒頭から、なんの意味か全く明示されずに黒竜教の僧侶たちが祈りを捧げてるシーンとか、もっと細かい伏線をさらっと1〜2巻の段階で挟んであったりとか。
逆におわかりの方はおわかりの通り、モルさんは完全な後付けです。きっとモルアレイドで追跡戦やってたときは、タチの悪い悪霊かなんかに憑依されてたんだよ!
あと、モルさんとサラールさんがデキそうな流れに持ってったら、編集のIさんに「もうこれ以上甘ったるいのはいらない」って言われて引っ込めたりナ! ああもちろんサラールさんは迫害されている異端の尼僧なので、色恋には流されませんけど! 悲恋ってやつですよね!
まあそう読めば読めないこともないので、作者はそういう感じをやりたかったってことにしといてください。でもモルはむさい親父です。
たぶん、一番わかりやすくキャラ造形に成功してたのはマイマイガルだったと思うんですが、あれ猫をサンプリングしてもうちょっと人間寄りにしただけなんで。そういう点では、短編のカイザーンとかの方が自分的にはしっくりきてたかもしれません。あとロート。描写的に成功したかどうか微妙ですが、彼がナルエグと戦って(そうあれカイザーンに屈する前のナルエグ)、その結果、ようやく忘れかけてたナーグから受けた屈辱を見事にほじくり返され、その印のように刻まれた顔の傷に触られるたびに蘇るトラウマっつー流れを、ちゃんと最初から出せてたら、もっともっとすごいキャラになってたと思うんです。
なので、黒竜戦争でそのフォローやりたいなって。ロートあんな風に出したのは、もちろん引きを考えてのことなのです。
マナリアードもね。彼、この後の帝都攻略戦の中心人物ですから。戦場には表向きいませんでしたが。
前も書きましたが、ゴーラン結社は剣の物語への伏線で、今後も絡んでくるんでよろしくお願いしますって意味合いで出しました。ガッシュの帝国も、あれはああいう連中があそこにいますっていう紹介であって、本当に出てくるのはこれからってつもりでした。
現状実現できてないので、そういうつもりだったけど(いまんとこ)出てませんってことですね。
いやだってほら、出すだけ出して扱いきれなかったから放置したんだろうって言われてそうでさ。
いやまあいいんです。
え、なに書いてあるかさっぱり? オーケーオーケー、大丈夫。マンガ図書館zに行って、『剣の聖刻年代記』1〜10巻を読んでしまえば全部解決さ。
まあ、処女長編でもありますし、現在から見れば赤面ものではありますが、それでも勢いって大事だなってこないだ読み返して思いましたってこれも書いたな。
日下部匡俊
いやほんとすいません。しかも公開がこんな時間。『聖刻の大地』第1話その2で時間食われてましてね。