『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』などをご一読いただくと、聖刻シリーズについて多少なりともご理解いただけるかと思えてなりません。
聖刻-BEYOND- PV絶賛公開中!

聖刻シリーズには練法師という人々が出て来ます。何度か触れましたが。
要するに魔法のスキルを持ってる忍者って位置づけの連中なんですが、なんで忍者なのかというと、忍者っぽい活動が多いってことのほかに、隠れ里作って、そこでさらって来たりした子供を育てて組織の一員にするっていう風習を持ってるからでもあります。
練法の技術は門外不出なので、どうしても秘密組織になりがちです。必然的に忍者の感じに近くなるわけですね。
この辺の話は、ワースブレイドの術法拡張セットで書いたはずです。はずってのは、術法のリストの方はあるのに、読み物の方がどっか行っちゃったから。部屋のどこかには絶対にあるはずなんだが!

まあそれはともかく、練法師の育成組織は、ほら、あれ、なんてったっけ、ハリーなんとかのホグワーツとかそういうのに割と雰囲気が似ています。命令なしで外界と行き来すると死なので、妙な列車で往来したり、外に帰る場所があるとかはないですが。
あと、練法師って一般に性格歪んでるって感じに描かれてますが、それもこれも、こういう場所で叩き込まれるカリキュラムによるところが大きいようです。術で上のいうことを聞くようにいろいろ刷り込まれているというのもありますが、日々の積み重ねも大事ってことですね。
なので、当然のように練法師の学校(みたいなもの)は空気悪いです。ぎすぎすしてますよね。そりゃそうです。ダメなやつは下手をすると殺されちゃいますから。そうでなくても、練法師になれなければ永久に上にはいけないので、そりゃあもう、自分の能力を誇示するべく、ライバルを出し抜くことに汲々とするわけです。

1092なんかに厄介な練法師どもが出て来て、能力は本当にすごいのに足ひっぱりあって自滅したりするじゃないですか。これが理由なんです。教育に根本の問題があるってわけですね。誰か練法師の偉い連中に教えてやってくれないものかと思いますが、トップがそういう育てられ方をしているのでどうしようもないのかもしれません。組織の宿痾ってやつですな。
逆に、主流派から離れたはぐれの練法師たちが概ね有能なのも、これが理由と言えましょう。アウトサイダーなので、一般的な育成法を嫌うわけです。あと、組織の中で一から教え込まれた人間でもないのに能力を開花させる場合が多いので、たぶんはぐれとして活動できている練法師は天才なんだと思いますが(TRPGワースブレイドのプレイヤーキャラクターは、ほぼ全員このタイプってこと)。

拙著『黒竜戦争』でもちょっとだけやりましたが、聖刻世界での学校とか、突っ込んでやったらそれなりに面白そうかなって。練法師関連はむしろ結構書いてるので、僧侶とか密偵とか、もちろん操手とか、その候補たちの物語とかできると楽しそうです。ああ、『操兵の作りかた』がまさにそれだったか。

日下部匡俊