聖刻シリーズをご覧になるのが初めての方は、『聖刻シリーズとは』『聖刻日記 #3』『聖刻シリーズ 基本用語解説』などをご一読いただければ幸いナリ。
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旧版ワースブレイドの、『術法の書』と『吾伽式の練者』が出てきてくれました。
気になってたところとか確認してみましたが、ああ、リッシュの人々がキドニグ人っていうの、忘れてたなあ。あと、歌う宗教ニーインとか(この辺、手元にあった設定本にも載ってましたが)。ニーインなんかは名前を失念してただけで、ちゃんと認識はしてたんですが(それにしても、歌う宗教とか雅だなあ)。でもまあ、年は取りたくないものです。

ただ、ほとんどの内容は記憶通りでちょっとほっとしました。コラム書いた意図とか、ちゃんと覚えてるし。他の人が書いたのはかなり怪しいところもありました。これは素直に反省。幸い、ローカルな話だったので、大勢にそれほど影響はありませんでしたが。
あと、ちゃんと秘装八者に関する話書いてますね。あれ読んでると、『双天の聖王』に出てきたやつらの描写がおいおいって感じ(神様に能力の大半を召し上げられちゃったんじゃないのか!)ですが、そもそもあれ複数の伝説の一節ですし、実際はどうかなんて分かるはずがありません。

で、もちろん、秘装八者、あるいはそれに類する存在が、小説の描写が正しくて、ゲームもそれに準拠しなきゃダメなんて言う気はありません(その逆もだけど)。というより、設定本では虚実取り混ぜた伝聞調で書いてあるので、あの中から自分たちの事実を拾い上げて設定を構成するのが正解です。
よく見りゃ、宗教ごとに言ってることが食い違ってるし、八の聖刻を示唆するような伝説と、軍神・巨人の話が一緒のわけがありません。

言い訳じゃないのです。これは真面目な話。ワースブレイド全般が、そういう感じになっているので。
いや、そう明記しなかったことは素直にごめんなさい。まえがきとあとがきにそういう内容を常に盛り込んでいたつもりですが、あれは書いた人間にしかわからなかったかもしれません。

で、『吾伽式の練者』に、練法師団の教練生の話がありまして。いま見直すと、ハリー・ポッターだよね、これ。ポッター。もっと膨らませて、あっちより先に出してたら売れてたかなあオレ(目が¥マーク)。

いやまあ。
どんな話かかいつまむと、どこぞの練法師の育成機関で卒業試験に臨んだアクン、ミーザ、クバンのスリーマンセルは、意地悪な導師にもうちょっとで殺されそうになるものの、劣等生を装っていたアクンの活躍で、なんとかやっつけてめでたしめでたし、という。

自分で書いた話ですけど、ああ、練法師ってひねくれてるなあって。下をまともに育てる気がない酷さ。正確には、うまく育っちゃって自分の地位を脅かしそうになったら、なかったことにしようとする心根の卑しさとでも申しましょうか。
まあそういう設定(練法師全般とは言わないけど)だからしょうがないんですが。

別にあれ、上位の練法師もやるからね。自分より劣った人間しか育てる気ないんですよ。じゃあどうやって代替わりが起こるのかっていうと、上が衰えて、タイミングよくそこに天才が出現してニッチを奪うって感じ。アクン(亜君?)なんかは、能力的には上の人間が何人もいるけど、隠蔽することにかけては誰よりもうまいと。だから、奥の手を何段階も用意しておいて、ああ、奥の手がやられたーって顔をして(それも何回もやると悟られちゃうから、勘所で1回こっきり芝居を打つ。この勘所の見極めが天才的)、相手の油断を誘うって感じでしょう。
よく考えると、アクンも偉くなったら導師とおんなじことやりそうだなあ。なんせ、全部済んだ後で、自分が奥の手使うのを仲間が見てないことにほっとしてたりしますからね。最低ですね。いやまあ、練法師キャラの真髄と言えばそうかもしれない。

日下部匡俊